Photo: Alessandra Benedetti – Corbis/Getty Images
ジュード・ロウは、新作映画『クレムリンの魔術師(原題:The Wizard of the Kremlin)』でロシア大統領のウラジミール・プーチンを演じることに恐れを抱かなかったそうだ。8月31日(現地時間)、ヴェネチア国際映画祭で本作をお披露目した彼は、オリヴィエ・アサイヤス監督らとともに記者会見に出席し、こう語った。
「考えが甘くなかったことを願いますが、反響を恐れていませんでした。オリヴィエと脚本の力で、知的で多層な思慮ある物語になるであろうと確信がありました」「論争を招くことを意図したわけではありません。より大きな物語の中に登場する一人のキャラクターです。誰かについて、何らかの定義をしようとしたつもりはありません」
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『The Wizard of the Kremlin(原題)』は、ジュリアーノ・ダ・エンポリの2023年の同名小説を原作に、エマニュエル・カレールが脚本を担当。リアリティ番組のプロデューサーから政界に転身し、「クレムリンの魔術師」と呼ばれた架空の人物、ヴァディム・バラノフ(ポール・ダノ)の物語が描かれる。バラノフのモデルとされるウラジスラフ・スルコフは、ロシア副首相、大統領府副長官、補佐官を歴任し、プーチン政権のイデオロギーを築き、政界工作に関わった人物とみられている。
アサイヤス監督は記者会見で、映画の普遍性をこう指摘する。「我々は本作でウラジミール・プーチンという人物の特定の物語を題材にしましたが、多くのリーダーたちに当てはまると思います。今、政治が大きく変わっています。私たちの世代は特にそう感じていると思います。今起きていることが恐ろしいだけでなく、答えを見出せていないという事実がより恐ろしいのです」