2025年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
昨今の大手映画会社配給の作品は封切りの週末ランキングで興行がどれだけ続くかの運命が決まる。ゆえに、配給元も宣伝会社も封切りの週末をめがけて巨額の宣伝費と時間を投じ、その週末3日間だけの動員を至上命題としている。
増して本作の監督・脚本の川村元気は東宝の社員である。上記の道理を誰よりも心得ている。中身なんかなくったっていい。面白くなくてもいい。ただ、客がチケットを購入してゲートをくぐってくれれば勝ち。…としか考えていない(絶対に)。
ゆえに、こちらも貯めていたシネコンのポイントを使用した。実質タダ同然。どうせその程度の映画だろうと予見していた。
ここから感想。
原作となったゲームは知らない。だからか、あのまんま主人公(ニノ)が最後まで一人であの空間で藻掻いていればたいした作品に出来上がったのではなかろうか。僕の星も1つ~1つ半は増えた。問題は河内大和演じる「歩く男」が普通のお芝居をするシークエンスがあることだ。いや彼本人がヘタとかそいういうことじゃない。むしろ歩く・止まる・笑う・セリフなしであそこまで作品世界の不気味さを描き出せるとは稀有の存在だと絶賛すらしたい。特に最初のニノが振り向くとニヤリのシーンでは会場中から声が上がったほどそら恐ろしかった。その河内の使い方を途中から完全に誤った。勿体ない。クリエイターを名乗る川村元気の限界を見た思いだ。
結局この2名以外の人物は不要なのである。変な安っぽい訴求を入れてしまったがゆえに凡作評価に落ちた。
一方で映像作りの巧みさは評価できる。特に最初のワンカットは実際はいくつかのカットをつなぎCGも駆使しているものと推察されるが、「1917」(2019年)や「バードマン」(2014年)に匹敵するほどの巧みさを見せつけた。洪水のシーンも水に飲まれる箇所以外はCGだろう。
総じて。ネタバレさせようとしなくても所詮は底が浅い薄っぺらい作品だ。カネを払って自分の時間を使って見た人は大損をしたと感じた人も少なくないだろう。公開初週で稼いでも今週末のランクでは爆発的に急降下するに違いない。しかしながら猛暑下で冷房が利いている映画館で過ごす時間は大変貴重でありがたい。僕もそうだった。ゆえに「2」を付けた。本来は「1」でよかった。
最後にこの作品に限った話ではないのだがこの際言っておきたい。
公開直後のレビューで星5つを付けている人、反対に0を付けている人。「映画.com」での極端な評価の人々の感想は全然まったくちっとも信用できるものではない。
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