2025年8月31日
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カンヌ国際映画祭パルムドール、第97回アカデミー作品、監督、主演女優、脚本、編集の5部門を受賞。完成度は高いと思うが、観終わったあとにじわじわと、賞レース狙いの映画だったかなぁという感じ。感心するほどの作品だとは思えなかった。
セックスワーカー、富豪の息子…アメリカ社会の下層で生きる人々と、ごく一握りの富裕層。目をそむけたくなるような社会構造を生々しく描きつつも、この視点自体はもはや教科書的で、目新しいものじゃない。映画では常に取り上げられる題材だ。
バカっぽい御曹司のもどかしさと、アノーラの物悲しさ美しさ、2人が幸福を求める過程で結婚という接点に繋がるが、シンデレラストーリーどころか、同じ惑星の同種族とは思えないほどに2人の立場や価値観が異なることを観客は徐々に気付かされる。
後半は期待したが、少々冗長なドタバタで、皆が御曹司を探し回る流れで群像コメディ風に展開する。これが面白いようで、そうでもない。
アノーラ役、マイキー・マディソンの演技、表情は見所だが、それ以外に見返したいと思うようなものは無かった。
自分がおじさんになったせいか、アカデミー作品賞を獲ったような映画で「!」となることは少なくなってきた。
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