長期化する夏が私たちに及ぼす悪影響
気づけば、「薄手のコート」を羽織る機会が減って久しい。春や秋が“風のように過ぎ去る季節”となり、夏の長期化に戸惑う声も増えている。肌の専門家である皮膚科医の貴子先生は、私たちの肌をとりまく環境がますます過酷になっていると語る。
「高温の季節が以前よりも長くなったことで、屋外では紫外線の影響でダメージを受け、室内では過度に冷えた空調で乾燥する、という状況が長引くようになりました。乾燥やくすみ、キメの乱れに加え、メラニンの過剰生成によるシミの悪化が加速。コラーゲンが破壊され、シワやたるみが出現しやすい状況になっています」
Photo: Janina Steinmetz/Getty Images
暑さによる影響は肌のみならず、体全体に波及する。「室内外の温度差で、 まず自律神経が乱れます。さらに、暑いと冷たい飲み物や食事を摂る機会が増え、胃まわりの血管が収縮して働きが低下します。結果、胃もたれを感じたり、消化不良を起こす人も。さっぱりとして食べやすい麺類など、炭水化物が多い食事になりやすく、栄養が偏る点も気がかり。インナーから、肌が老ける要因が揃っているといえるでしょう」結果、肌のターンオーバーが低下し、胃腸の不調からくる肌荒れを誘発してしまうのだという。
ベーシックケアの徹底で夏を乗り切る
貴子先生が提案する晩夏から秋口のお手入れは、水分補給、プロテクト、リカバリーケアの3本柱からなる。猛暑による肌ダメージを100%防ぐのは不可能に近いなか、活躍するのがベーシックケアのひとつであるローションだ。
「ローションによる“水分補給”に注力しましょう。角層の水分の有無で、見た目のくすみ印象が大きく変化します。美容成分を抱え込んだローションが浸透することで、角層のコンディションはかなりよくなるはず。また、薄くデリケートでエイジングしやすい目もとや口もとのケアもぜひ。紫外線ダメージを受けやすいので、積極的なケアをおすすめしています」