今年一番の集客ぶりを見せる一本。
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』のざっくりとした感想
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』を観てきました。
劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来
製作年:2025年 / 製作国:日本
155分 / PG12
Ufotable制作
監督:外崎春雄
https://eiga.com/movie/102014/
今夏大本命!というか今年の大本命。
『無限列車編』が400億円という日本の映画史に残る結果を残した『鬼滅の刃』のクライマックスを完全新作で描くシリーズがついに上映スタート。
『無限列車編』での因縁を残す猗窩座との対峙が明らかになった三部作の第一弾です。監督はもちろん外崎春雄監督、そしてアニメーション制作はufotable です。
ちなみに私は原作既読済み勢。
原作でこの後起こることはわかっている上で観に行きました。
そんな本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……
覚悟の歪さを感じる秀作。
第一章と言いつつ、前TVシリーズのモロ続きで、あらすじナシの超一見さんお断り映画。
ただし2時間という尺にド派手な幹部戦と+30分ほどにこれ一本だけでも充足感をもたらす泣かせエピソードが付いてくる異常な高品質作。
そういったところに覚悟を感じました。
ネタバレありで内容にもっと踏み込んだ感想を書いていきます。
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』のもっと踏み込んだ感想■こりゃすごい!前作で400億稼いだ作品の本気を思い知る映像!
前作の『無限列車編』に限らず、以降展開されたTVシリーズ版の『鬼滅の刃』を観ているので“それなりのクオリティの物が出てくるだろう”とは想像していましたが……こちらが持っていた高いハードルに敵う映像をしっかり持ってくるのが流石!
『鬼滅の刃』のアニメシリーズっていろんな魅力があると思うのだけど、やっぱりアクションの凄まじさに感動。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
それぞれの呼吸のエフェクトであったり(鬼サイドなら血鬼術)、カメラワークやその緩急だったり、3DCGと手描きを合わせながら見せる『鬼滅の刃』のビジュアル的な境地を堪能できる、すごくリッチな体験でした。
中でも、“無限城”の力の入れ方にビビる。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
原作派ほど鬼の鳴女さんがめちゃくちゃ盛り上げてくれてることが分かる無限城という映画の舞台なのですが、原作漫画にはないような演出も盛りに盛られていまして、劇場版特別エディションって感じになってました。
こりゃ凄い。
言われなければ背景も3DCGとは思えないですし、技術的な意味でも日本の手描きとCGの最先端を走ってくれているような感覚で、『鬼滅の刃』という作品が然るべくして大ヒットしてくれていることが嬉しいです。
すごくリッチな日本の最先端を感じる映像に恍惚!
■ストーリーにもしっかりボロ泣き!そりゃあ泣くよ
それでいてアクションだけでなくストーリーにもボロ泣き。
原作を読んでいるので予想はしていましたが、今回の映画ではいくつか泣かせにくるような展開が用意されていまして、その度に「ウッ」と涙を流していましたが、クライマックスの猗窩座の過去のエピソードに関しては、どうなるかは知っているのに、最後はボロボロ涙が止まらない止まらない。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
内容的な部分は原作漫画の持っているポテンシャルではあるんですが、細かな暗喩だったり、声優さんの演技だったりというプラスアルファが追加されることで、その原作の良さがさらに増幅。
切ないし、悲しいし、許せないし、どうにかして欲しかったしで感情の波に揉まれて、終盤は泣きっぱなしでした。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
鬼滅は『無限列車編』しか観たことないという人も結構いると思うのですが、猗窩座という軸に対しては今回の『猗窩座再来』が呼応する後編みたいな立ち位置になっている映画です。
猗窩座が許せないって人こそ、猗窩座ってどういう人物だったのかを知る体験としても、この映画をオススメします。
号泣!クライマックスの猗窩座戦は涙止まんネェや。
■完璧な映画であるかで言えば悩ましいところ
クオリティで言えば大絶賛の映画ではあります。
ただ、ちょっとやっぱり特殊な映画だと思うのです。
第一章というナンバリングではあるものの、TVシリーズを追っていなかった人には突然話が始まる映画になっていますし、そのTVシリーズ自体もかなりの話数が出ているので、今から予習するのはそこそこ大変。
そういう一見さんお断り映画ではありながら、あらすじとかキャラクター紹介などの目配せがないのは不親切だとは思います。
公開直前とかフジテレビでは一から放送してたり、今やいろんな配信サービスで『鬼滅の刃』って観ることができるので楽しみやすい環境にはなっているとは言え、体裁として映画一本だけを評価するとしたら、初心者には全く優しくないという点はこの映画の課題にはなっちゃうと思います。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
それに加えて、回想シーンや説明台詞が多すぎるのも気になる点。
これは週刊連載マンガをアニメとか映画に置き換える上での課題だと思うのですが、週刊連載で何週にも渡って発表してきた物語を映画という尺に強引に詰め込んでいるようなことにはなっているので、「また過去の回想じゃん!」みたいな行ったり来たりが多すぎちゃうんですよね。
『鬼滅の刃』のアニメは漫画内のナレーションなども割愛されているので、余計にキャラクターを喋らせる必要も出てきたり、たくさん喋らせざるを得ないのは悩ましいところ。(それは今作だけの課題じゃないし。)
映画を見ながら「実はTVアニメというフォーマットで製作した方が良かったのかな……?」とか「もっと最適な発表媒体があったのかな……?」とか、原作の良さを100パーセント引き出すには、どう映像化するのか正解だったのかは未だに悩むぐらいには、映画というフォーマットでの発表には実は懐疑的だったりします。
©️ENISHIYA/タコピーの原罪/2025
最近だと、アニメ『タコピーの原罪』なんかはテレビでの放送をしない前提で作られているので、各話の収録分数が全然バラバラに作られています。『鬼滅の刃』も尺とかにとらわれず、しのぶさんや善逸の戦いは30分枠で、猗窩座は一時間半SPで……みたいな感じでそれぞれ放送回を設ける方が、後味とかメリハリでは良かったんじゃないか、なんてことは考えました。
どうなんでしょうね。
まぁ、興行的には大成功なので、経済的な意味では映画にして正解だったわけだからな、考えてもしょうがないんだけど。
一見さんお断り映画だったり、尺だったり、気になる点はもちろんある。
まとめ
●映像はまずスッゲーことになってる。
●ストーリーにもスッゲー泣かされた。
●作品の性質上、かなり歪な映画だとは思う。
というわけで、色々賛否思うことはあるので、誰しもが行って楽しめる映画とは言わないけれども、然るべくして大ヒットした映画だとも思うし、一方で全然楽しめなかったという人が居てもおかしくない映画とも思うし、なんなら原作の良さを最大限引き出した映像化という意味ではもっと別の方法もあったかもしれない映画とも思う、いろんな感情が巡る体験でした。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
もう私はすっかり『鬼滅の刃』のファンにはなっていますので、引き続き次回を楽しみにしながら、今後の炭治郎の戦いも追って参ります。
っていうか来年やってくれないかな。
早く続きが観たいよ。
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