Guardant HealthGuardant Health俳優のジェームス・ヴァン・ダー・ビーク氏は2023年、46歳でステージ3の大腸がんと診断された。彼は日常的な運動や食事など、健康に気を使っていたにも関わらず、病気の症状を一時的な身体の変化としてすぐに検査に行かなかった。病気を通して様々な経験をした彼は、主に進行がんの罹患率が増加する若年層に対して検診の重要性を広める活動を行っている。日常生活に少し変化を加えるだけ…3カ月で体脂肪のほぼ半分を減らすことに成功 | Business Insider Japan

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ヴァン・ダー・ビーク氏は、長年にわたり自身の健康維持に努めてきた。

「私は健康のためにできることすべてを実践していました」と現在48歳の彼はBusiness Insiderに語った。「サウナ、冷水浴、ウェイトトレーニング、ピラティス。ダンスやフットボールのトレーニングもしていました」

人気ドラマ「ドーソンズ・クリーク」で知られる彼は、筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせ、主にオーガニック食品を食べるなど、「あらゆるバイオハック的な手法を取り入れていました」と語った。

しかしその後、彼は便通の変化を感じ始めた。これは、大腸がんの一般的な症状であるが、彼は一旦コーヒーを飲むのをやめて、自然に治るかを確認してみることにした。

「何かの病気の症状だとは感じませんでした」と彼は言う。「検査に行かなければと思うほどのものではありませんでした」

ヴァン・ダー・ビーク氏はがんの診断の後も健康的な生活を送り続けていた。ヴァン・ダー・ビーク氏はがんの診断の後も健康的な生活を送り続けていた。Guardant Health

症状が続いたため、彼は大腸内視鏡検査を受けた。そして、46歳にしてステージ3の大腸がんと診断された。彼は、治療開始から1年以上が経過した2024年後半になって、はじめてこの病気を公表した。

ヴァン・ダー・ビーク氏のように、進行がんと診断される若者は増加傾向にある。彼のように多くの若者が、健康的なライフスタイルを送っていながらも、見落とされがちな症状を抱えていた。

彼はもっと早く検査を受けていればよかったと後悔しているものの、2023年当時では、できることは限られていたと語る。採血のみで大腸がんの兆候を発見できる「シールド血液検査」がFDA(米国食品医薬品局)に承認されたのは、2024年になってからのことだったからだ。

今後生涯にわたって大腸がんと向き合うことになるだろうと語るヴァン・ダー・ビーク氏は、現在ガーダント・ヘルス(Guardant Health)社の広報を務め、シールド血液検査の普及活動を行っている。彼の目標は、特に50歳未満の間で増加している大腸がんの検査受診を人々に促すことだ。また、彼は症状に関する意識を高め、推奨されているスクリーニング年齢である45歳になったらすぐに検査を受けるよう人々に強く勧めている。

「『こうしていれば、ああしていれば』という後悔の念は、ブラックホールのようなものです」とヴァン・ダー・ビーク氏は言う。「しかし、私と同じ後悔をあなたにしないでほしい。それが私の最大のメッセージです」

新生活の始まりを襲った衝撃

2020年、ヴァン・ダー・ビーク氏と彼の家族はロサンゼルスからオースティンに引っ越した。彼は数年間俳優業を休み、妻のキンバリーと共に6人の子供たちの育児に専念していた。

新しい生活に慣れるには時間がかかった。ヴァン・ダー・ビーク氏は45歳で大腸がんの年次検診の受診対象になっていたが、当時の彼はまだ新しい医療保険制度の調整中だったため、その時点で大腸内視鏡検査を受けなかったという。また、彼は2021年に検診ガイドラインが変更され、推奨年齢が50歳から45歳に引き下げられたことを知らなかった。

2023年に進行がんと診断されたことは衝撃であり、2年経った今もなお、その事実と向き合ってい続けているとヴァン・ダー・ビーク氏は語る。「本当に現実だと理解するまで時間がかかりました」と彼は言う。「今も徐々に実感が湧いている段階です。というのも、あまりに未知なことが多すぎるのです」

ステージ3のがんは、がん細胞がリンパ節まで転移しているが他の臓器には転移していない状態だ。この段階では、通常は化学療法と手術による治療が必要である。

治療と仕事、そして父親業のバランス

ヴァン・ダー・ビーク氏は、治療中最も辛い時期だったのは、自身のアイデンティティの中核をなす部分を失っていくように感じた時だったと語る。

「私が愛し、そして自分自身を定義していた美しいものすべて――父親であること、養い手であること、夫であること――が全て奪われた、少なくとも一時停止させられたのです」と彼は述べた。「私は座って、『私は一体何者なんだ?』と問いかけるしかありませんでした。そして、『それでも私は愛される価値がある』という答えに辿り着きました」

ヴァン・ダー・ビーク氏は、治療そのものに加え、医療システム上の手続きや診察予約、投薬、サプリメント、検査といった、それらすべてを整理するといった、フルタイムともいえるほどの「仕事」にも対処しなければならなかったと語った。

俳優である彼は、本当に助けが必要だったにもかかわらず、助けを求めることが難しかったと語った。

「これを一人で乗り切る方法があるのか、私には分かりません」と彼は言う。「今までの私なら受け入れられなかった形で、友人たちが本当に助けに来てくれるのを見て、驚くほど素晴らしいことだと感じました」

公表から始まる新たなつながり2024年に家族と「ザ・マスクド・シンガー(The Masked Singer)」に出演したヴァン・ダー・ビーク氏2024年に家族と「ザ・マスクド・シンガー(The Masked Singer)」に出演したヴァン・ダー・ビーク氏 FOX/FOX Image Collection via Getty Images

2024年に大腸がんの診断を公表してから1カ月後、ヴァン・ダー・ビーク氏はテレビの特別番組「The Real Full Monty」に出演した。これは、彼を含む6人の男性セレブが、がん啓発のためにストリップを披露する番組だ。彼は、この番組の撮影が、身近な人以外にがんの事実を初めて明かす機会になったと語った。

「その直後に得られたサポートや共感、そしてエネルギーは、本当に生きる力を与えてくれました」と彼は言う。「困難を乗り越え、恐怖の向こう側に行くと、必ず何かしらの報酬があるのだと思います」

かつて名声に対して「非常に複雑な思い」を抱いていたが、今では全く違う見方をしている。

「実際、それは私にとって本当に恵みでした。今では、あらゆる場所で人々が私のために祈っていると伝えてくれます。それは本当に助けになると感じていますし、私にはそれが必要であり、感謝しています」と彼は述べた。「私のキャリアは、それがなければ決して繋がることのなかった多くの人々と私を結びつけてくれました」

若い世代に検診を促したい

大腸がんの症例は世界的に増加しており、特に若年層での罹患率が上昇している。これを受けて、米国では推奨されるスクリーニング年齢が引き下げられた。

ヴァン・ダー・ビーク氏は、検査を受けるべき時期や注意すべき症状についての一般的な意識を高めたいと考えていることに加え、代替検査の選択肢を持つことも熱心に推奨している。

大腸内視鏡検査は、医師が前がん性ポリープを切除できるため、最も一般的で、確実な検査とされている。しかし、費用が高く、時間もかかり、下剤や麻酔を伴うため負担の大きい検査だとされている。

「大腸内視鏡検査は楽なものではありませんでした」とヴァン・ダー・ビーク氏は語る。「仕事でそのような休みを取れない人々にとっては、大きな課題となり得ます。

近年、より身体への負担が軽く、自宅で受けられる検査が増加し、診断の選択肢を広げている。例えば、「コロガード(Cologuard)」や「FIT(Fecal Immunochemical Test)」といった検査は、便サンプルからがんを検出するもので、広く普及している。

「シールド検査」は、平均的なリスクを持つ45歳以上の人々を対象とした血液検査だ。もし結果が陽性だった場合、次のステップとして大腸内視鏡検査が推奨される。シールド(Shield)の研究によると、この血液検査が患者に提供された場合、大腸がんの検診受診率が2倍以上に増加することが判明した。

これらの検査は、がんを見落としたり、偽陽性を示す可能性がある。がんが進行しているほどその可能性は低くなるものの、このような誤差があるため、医師は大腸内視鏡検査を最も推奨している。

「私自身であれば、やはり大腸内視鏡検査を選ぶでしょう」と、イノヴァ・シャー・がん研究所(Inova Schar Cancer Institute)で消化器がんプログラムを指揮する腫瘍内科医、ティム・キャノン博士は、シールドのような体に負担の少ない検査の新しい潮流についての以前のBusiness Insiderの記事で語った。

ヴァン・ダー・ビーク氏はガーダント・ヘルス(Guardant Health)社の大腸がん血液検査を推奨している。ヴァン・ダー・ビーク氏はガーダント・ヘルス(Guardant Health)社の大腸がん血液検査を推奨している。Guardant Health

大腸がんは、初期段階で発見されれば非常に治療しやすい。だからこそ、ヴァン・ダー・ビーク氏は、人々がどのような方法であれ、より多く検査を受けてくれることを願っている。

彼は、診断を受けたときのリアクションの1つを今も覚えている。自分の状況から生まれる、最も良いことは何かと考えたという。

「20年後にこれを振り返ったとき、『ああ、これが起きてくれてよかった』と思えることはなんだろうか?」と彼は語った。「だから、それを実現するために何ができるかと考えたのです」

今のところ、啓発活動を行うことが、進行中の治療を通して彼に多くの目的を与えている。「多くのことを学びました」と彼は言う。「もし私の活動によって、誰かがこの経験をせずに済むなら、それは魔法のようなことです」

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