一ノ瀬漫月 漫談『なぎら健壱』
[拍手] え、私は焼き鳥が好きなんです。何気ない 日常を過ごしていても突然不逆的に焼き鳥 が食べたくなるんですね。はっきり言って 仕事してるのも法律守ってるのも焼き鳥が 食べたいからなんです。 もう家賃なんかどうでもいい。焼き鳥さえ 食えれば何の問題もない。この世で今すぐ 消えて欲しいものは何かと問われたら迷わ ずカンピロバクターって即人 でございます。だから私にとって1日の 目標とは何か?それは焼き鳥屋に行くこと です。 なんだって焼き鳥は焼きたをその場で 食べるのが1番うまい。だから焼き鳥屋に 行くんです。え、今日はですね、そんな私 の焼き鳥屋でのルーティーンをお話し しようと思います。まず行くのは1番早い 時間と決めております。とにかく回転と 同時に中に入る。これには歴とした理由が あるんです。仮に遅い時間なんか行って ごらんなさい。売り切れる部位が出てくる わけです。外伝と同時にビールも頼まずに 初田16本と振り袖10本とか気少部位を 全部注文しちゃうどうしようもない客が いるんですよ。 こんな連中に先をこされないように 焼き鳥屋は回転と同時もう夕方の4時頃に 口明けの客として行くわけです。まです けどね、私はまともじゃない顔をしており ますが、案外人の目を気にするタイプの 人間です。働き盛りの40男が平日の4時 から焼き鳥は握り浸たるって社会通年上 どうなんだと思っちゃうわけです。 焼き鳥は食べたいんだけれども社会的信用 も欲しい。そこで考えました。くぐくる時 にあら健チだけどって毎回名乗ればいいん じゃねえかと。もちろん私はナ一じゃあり ませんよ。あんなことは分かってます。 風貌も全く違いますし、天ガロンハット なんか持ってません。だけど、昼間から 仕事もしないでフラット焼き鳥屋に入って も大丈夫そうな人間といえば、もはやナ一 ぐらいしかいないわけです。ただ何度も 言いますが、私はナ一ではないので、面と 向かって突っ込まれたら、あ、実は違い ますとしか言いようがないなのでさらっと 、あ、どうもナですってさりげなく都会の 雑頭みたいな感じで言っとけば、あ、 そっち系かと波風立たないわけですね。 それをグラデーションっぽく薄くやってく とですね、相手の細胞レベルに浸透して いって、そのうち本当にナらけ一だと認識 される可能性もあるかもしれない。そんな さやかな希望もあるわけです。そんなわけ で、をくぐるとね、やっぱり水の空気が いいんです。なんせ自分が口明けの客です からね。大将がいらっしゃいという前に ストンと腰を下ろせば25年かけてすりっ たカウンターの角がちょうど肘の裏に フィットする。たまにフィットどころか 予選財工みたいにかっちりはまっちゃうん で、今では手首をそっと添えるだけにして います。ここで注文するんです。松本16 本に袖10本。 その店の気象を全部注文してしまうんです 。大抵嫌な顔されますけど何と名乗ってる もんでトラブルにはなりません。あと場が 初本初本初本初本振り袖振り袖振り袖 振り袖れと全部生まると同時に黒板に書か れた今日の気象部位初本と振り袖れという 文字がすっと消されるわけです。 倉行しているとやっと客が入ってきます。 そして黒板も見ずに松本とか言って スポーツ新聞を広げようとするとああ ごめんなさい。初本売り切れって言われて 思わず新聞を下げてええってなるわけです 。 そりはそうですよ。回転して2分でおすめ が全て売り切れですからね。 すると大空にピラミッド場に積まれた松本 16本と振り袖10本が私の前に運ばれて くる。逆と大将がこちらをすごい顔してみ ながら何やら言い合ってます。たまに 気象いを楽しみにしてきたおばあちゃん なんか泣いてることもありますし、怒って 帰っちゃう人もいます。そんな光景を眺め ながら山森の初本とフり袖を食べるのが やはり焼き鳥屋の醍醐みなんじゃない でしょうか。 そんな気象を回転と同時に買しめるという ルーティーンでその店に通っていたんです がなぜかデ菌禁糸を食らうようになりまし てしまにはナ士という張紙が貼られて しまい本物のナ一がやらかしたみたいに なってしまったです。 がずっとトラブルになりそうになると、 あの何らだけどつって逃げてきたんですが 、さすがにもう名乗れません。何でもかん でもナ一で住むほど世の中は甘くなかった んですね。少しほぶりが覚めてからのを くぐる時にナらですけどっていうのをやめ てみました。すると普通に入れました。 名乗らなければ大丈夫なんですね。 とりあえず気象部位を頼むのをやめて根間 とか頭とか当たり触りないものをひっそり 注文してすぐ帰る。そんなルーティンに 変えてみた結果大将と世間話をするまでの 間柄にはなったわけですね。なので大将は 口にこそ出しませんが、もう許してくれた んじゃないかと私は解釈しました。さて そんなある日たまたま私が口明けの客に なってカウンター越しに大将と2人っきり で世間話をしておりました。なんかの用事 で大将が奥に引っ込んで店内が私1人に なった時のことです。外がピカッと光った と思ったら引きが空いて天ガロンハットを かぶった親父が入ってきたんです。誰かと 思ったらなんとテレビクルーを引き連れ たナけ一二さん本人でした。 どうやらそこの飲み外でロケをやってて 飛び込みアプなしも乙つだねえとか言って ここに入ってきたみたいなんです。 そんなバカな。 私は奥にいる大将にナ一が来ました。本物 ですよなんて声を荒めてしまいました。 本物ってなんだよとさん本人も苦傷して ます。さて手拭いで手を吹きながら大将が 戻ってきましたが先ほどと打って変わって 不機嫌そうな表情です。そしてナさんを 睨めつけるとあんたは出理禁止だよって 言いちました。やっぱり許してなかったん です。というか、そもそも大将には私とナ さん本人の区別もついてなかったんです。 しかし初めて来た店で出入理禁止を食らっ たもんでさん本人も困惑しています。 さすがに私にも罪悪感がありますから必死 に大将をなめました。その結果なんとか 大将も飲み込んでとりあえず注文を聞いた んです。すると今日のおすめが書いてある 黒板をずっと眺めていたナさんは大将を 見ると満面の笑で言いました。松本16 本に振り袖10本全部塩 [音楽]
▶一ノ瀬漫月とは何者か?
そんな奴はいない、酔っ払いの戯言だ、好事家の妄想だ、存在したとしてもそれで地方のサッシ屋の仕事は増えるのか? などなど、漫談の評価以前に存在の信憑性が問われている。
▶そんな彼の漫談を記録したと思われるテープが近頃、埼玉県の農家の納屋で大量に発見された(当初は不法投棄のゴミと思われていた)。
▶公開している漫談はそのとき発見されたテープに収録されていたものです。
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演者:一ノ瀬漫月
会場:不明
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