モンキー的21世紀映画ベスト100

 

モンキー的21世紀映画ベスト100

今回の経緯

先日仲間と共に「俺たちの21世紀映画ベスト100」と題し、X(旧Twitter)スペースで8時間半に及び、様々な議論をしながら製作しました。

 

事前にこちらで用意した350作品にハッシュタグで集めた作品、合わせて「948」作品の中から5人で決めるという過酷な挑戦でした。

 

 

なぜこんな無謀なことをしたのか。

それは先日「NYタイムス」で発表された「21世紀映画ベスト100」が発端。

www.nytimes.com

 

500人の著名俳優や業界関係者の投票によって決められたベスト100だそうなんですが、なんと1位が「パラサイト半地下の家族」だったんです。

 

いやいや待て待て、と。

確かにパラサイトは面白いしアカデミー賞作品賞も受賞してる、21世紀の映画史に刻まれるに相応しい作品だけど、1位じゃねえべ?

 

要するに、このランキングに納得いかなかったわけです。

 

BBCやローリングストーンズ誌、EMPIREなどが過去に発表した21世紀ベストを見てみると、顔ぶれは近いものの媒体ならではの視点で並んだ作品がランクインしていたことを受け、「これ、俺たちで作ってみてもいいんじゃね?」と思い付いたのであります。

 

プロにはプロの決め方があるように、素人には素人なりの決め方、視点、意地がある。

そんな熱い思いをもった私含める5人で決めた、非常に有意義な時間でした。

 

これならどこに出しても恥ずかしくない、むしろNYタイムスよりいいだろ!

ちゃんと俺らなりに時代性とか社会性とか映画史的とか多様性とか、表に出す分ちゃんと「意義」のあるランキングができたのではと。

 

ただ思ったのは、自分が見てない作品もランクインしていること。

そりゃこれまでの映画全作見てる人なんていないし、語れない作品もある。

5人で足並みをそろえたからこそ、自分が見ていない作品がランクインされたわけです。

 

じゃあ自分だけの21世紀映画ベスト100を作ってみたら、どんな100本が並ぶんだろう。

そんなふとした疑問から、手を付けてみました。

 

以前「モンキー的2010年代映画ベスト100」ってのをやってみたんですが、あれから自分の中でどう変化したのかも込めて、やってみました。

 

では、1位からどうぞ!

 

 

 

 

21世紀映画ベスト100はこれだ!

1    インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌    2014    コーエン兄弟
2    フォードVSフェラーリ    2020    ジェームズ・マンゴールド
3    ゼア・ウィル・ビー・ブラッド    2008    ポール・トーマス・アンダーソン
4    ROMA/ローマ    2019    アルフォンソ・キュアロン
5    ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド    2019    クエンティン・タランティーノ
6    6才のボクが、大人になるまで。    2014    リチャード・リンクレイター
7    スリー・ビルボード    2018    マーティン・マクドナー
8    ラ・ラ・ランド    2017    デイミアン・チャゼル
9    シビル・ウォー アメリカ最後の日    2024    アレックス・ガーランド
10    TAR/ター    2023    トッド・フィールド

11    ゾディアック    2007    デヴィッド・フィンチャー
12    マッドマックス 怒りのデス・ロード    2015    ジョージ・ミラー
13    ズートピア    2016    バイロン・ハワード/リッチ・ムーア
14    ヘイトフル・エイト    2016    クエンティン・タランティーノ
15    ドライヴ    2012    ニコラス・ウィンディング・レフン
16    ウォッチメン    2009    ザック・スナイダー
17    インファナル・アフェア    2003    アンドリュー・ラウ/アラン・マック
18    クラウドアトラス    2013    ウォシャウスキー姉妹
19    セッション    2015    デイミアン・チャゼル
20    リコリス・ピザ    2022    ポール・トーマス・アンダーソン

21    ダークナイト    2008    クリストファー・ノーラン
22    最後の追跡    2016    デヴィッド・マッケンジー
23    パンチドランク・ラブ    2003    ポール・トーマス・アンダーソン
24    21ブリッジ    2020    ブライアン・カーク
25    アベンジャーズ/エンドゲーム    2019    ルッソ兄弟
26    インセプション    2010    クリストファー・ノーラン
27    心と体と    2018    イルディコー・エニェディ
28    メッセージ    2017    ドゥニ・ヴィルヌーヴ
29    ゴーン・ガール    2014    デヴィッド・フィンチャー
30    インターステラー    2014    クリストファー・ノーラン

31    フェイブルマンズ    2023    スティーブン・スピルバーグ
32    トゥルー・グリット    2011    コーエン兄弟
33    トゥモロー・ワールド    2006    アルフォンソ・キュアロン
34    第9地区    2010    ニール・ブロムカンプ
35    ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密    2020    ライアン・ジョンソン
36    ノーカントリー    2008    コーエン兄弟
37    グラン・トリノ    2009    クリント・イーストウッド
38    LEGO(R) ムービー    2014    フィル・ロード/クリストファー・ミラー
39    ソーシャル・ネットワーク    2011    デヴィッド・フィンチャー
40    ファントム・スレッド    2018    ポール・トーマス・アンダーソン

41    シカゴ7裁判    2020    アーロン・ソーキン
42    マネーボール    2011    ベネット・ミラー
43    アンストッパブル    2011    トニー・スコット
44    コラテラル    2004    マイケル・マン
45    オデッセイ    2016    リドリー・スコット
46    ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル     2011    ブラッド・バード
47    キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー    2014    ルッソ兄弟
48    ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い    2010    トッド・フィリップス
49    インヒアレント・ヴァイス    2015    ポール・トーマス・アンダーソン
50    ゴスフォード・パーク    2002    ロバート・アルトマン

51    アルゴ    2012    ベン・アフレック
52    リンダリンダリンダ    2005    山下敦弘
53    パンズ・ラビリンス    2007    ギレルモ・デル・トロ
54    ザ・マスター    2013    ポール・トーマス・アンダーソン
55    ブリッジ・オブ・スパイ    2016    スティーブン・スピルバーグ
56    ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー    2014    ジェームズ・ガン
57    名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN    2025    ジェームズ・マンゴールド
58    ムーンライズキングダム    2013    ウェス・アンダーソン
59    アウトロー    2013    クリストファー・マッカリー
60    (500)日のサマー    2010    マーク・ウェブ

61    ザ・タウン    2011    ベン・アフレック
62    21ジャンプストリート    2012    フィル・ロード/クリストファー・ミラー
63    パシフィック・リム    2013    ギレルモ・デル・トロ
64    ONCEダブリンの街角で    2007    ジョン・カーニー
65    ファーザー    2021    フローリアン・ゼレール
66    クロニクル    2013    ジョシュ・トランク
67    今宵、フィッツジェラルド劇場で    2007    ロバート・アルトマン
68    バタフライ・エフェクト    2005    エリック・ブレス/J・マッキー・グラバー
69    ベルファスト    2022    ケネス・ブラナー
70    X-MEN:ファースト・ジェネレーション    2011    マシュー・ボーン

71    ウォーターボーイズ    2001    矢口史靖
72    SHAME -シェイム-    2012    スティーブ・マックイーン
73    LOOPER/ルーパー    2013    ライアン・ジョンソン
74    イングロリアス・バスターズ    2009    クエンティン・タランティーノ
75    AIR/エア    2023    ベン・アフレック
76    オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主    2014    スティーヴン・ソマーズ
77    ホワイトハウス・ダウン    2013    ローランド・エメリッヒ
78    ブルーバレンタイン    2011    デレク・シアンフランス
79    わたしは、ダニエル・ブレイク    2017    ケン・ローチ
80    アリー/ スター誕生    2018    ブラッドリー・クーパー

81    サンドラの週末    2015    ダルデンヌ兄弟
82    ナイト&デイ    2010    ジェームズ・マンゴールド
83    君の名前で僕を呼んで    2018    ルカ・グァダニーノ
84    フランシス・ハ    2014    ノア・バームバック
85    グッバイ、レーニン!    2004    ヴィルフガング・ベッカー
86    フレンチアルプスで起きたこと    2015    リューベン・オストルンド
87    ピアノマニア    2012    リリアン・フランク、ロベルト・シビス
88    ウィンターズ・ボーン    2011    デブラ・グラニク
89    アタック・ザ・ブロック    2012    ジョー・コーニッシュ
90    ソーセージ・パーティー    2016    コンラッド・ヴァーノン/グレッグ・ティアナン

91    シング・ストリート未来へのうた    2016    ジョン・カーニー
92    ロブスター    2015    ヨルゴス・ランティモス
93    ヤング≒アダルト    2012    ジェイソン・ライトマン
94    トールマン    2012    パスカル・ロジェ
95    スター・トレック イントゥ・ダークネス    2013    J.J.エイブラムス
96    タイピスト!    2013    レジス・ロワンサル
97    たちあがる女    2019    ベネディクト・エルリングソン
98    アンノウン    2011    ジャウム・コレット=セラ
99    レボリューション6    2002    グレゴール・シュニッツラー
100    ローンサバイバー    2014    ピーター・バーグ

 

ざっくり説明

このようになりました。

色々考えた結果、時代とか社会とか多様性とかそんなの抜きに、現時点でオレが面白いと思った映画ばかりが並びましたw

見てもらえればわかるように、ハリウッドの大作が好きで、アメリカの映画が大好きで、好きな映画作家が偏っていて、それでいて他の媒体だと除外されそうなヤツが並んでいます。

 

 

まず思うのは、90年代に名を挙げた作家を残したいということ。

 

PTA,キュアロン、フィンチャー、タランティーノ、ノーラン、そしてマンゴールドなど現在60歳前後の彼らには、これまでの映画界を引っ張ってきてくれた感謝と、これからも頑張ってもらいたいという応援を込めて贔屓目でいれさせてもらいました。

また、スピルバーグやイーストウッド、リドスコといった巨匠も衰えを知らない演出力と編集力が随所にあり、ダラダラ描いてばかりのスコセッシとは大違いの出来。

この辺も個人的な観点で差を付けました。

 

 

 

ベスト10に関して。

特に1位は音楽映画でありながらユリシーズを語り、ユーモアも忘れないコーエン兄弟ならではの脚本の凄さ、そしてオスカー・アイザックの凄さ、何より21世紀で一番惹かれた映画がこれ。

他は「俺たちの21世紀映画ベスト100」と変わらない作品が並んだものの、微妙に順位が違うこと。

9位と10位は自分が今一番関心のある問題をテーマにした作品を並べました。

 

上位は各年ベスで入れてきた作品群。

この歳になってフィンチャーがものすごく嫌になったんだけど、ゾディアックだけは何度見ても素晴らしいってことで11位。

また昨今イメージがあまりよくないザック・スナイダーですが、ウォッチメンだけは評価したいってことでかなり高い順位にしました。

 

また、ウインド・リバーばかりが注目されがちなテイラー・シュリダン作品ですが、「最後の追跡」を忘れんなよ!って思いや、めちゃめちゃ心を洗われた「心と体と」は完全に個人的な好みです。

 

 

MCUも忘れちゃいけないってことで、一番ターニングポイントだったと思う3作をランクイン。

ウィンター・ソルジャーとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーがなければ、シリーズとしての幅は広がらなかっただろうし、その最終地点がド派手なお祭りのエンドゲームだったこと、それらすべてが大ヒットを遂げたシリーズとして、入れないわけにはいきません。

 

21世紀から一気に「アクション俳優」と化したトム・クルーズも忘れてはいけません。

ミッション・インポッシブルだけじゃなく、作家の色も出た作品でだってちゃんとできるってのを証明してくれた作品を入れております。

 

下位に関しては、年ベスには入らなかったけど、忘れてほしくない良作としていくつか入れてみました。

特に「ピアノマニア」や「アタック・ザ・ブロック」は、今語られてないであろうユニークな作品ですし、オストルンドやランティモスなど、ヨーロッパ出身の映画賞常連監督は初期作の方が好きってことで入れてます。

 

また、ベン・アフレックを下位に集中的に入れてます。

演技だけじゃなく監督としても確かな腕のある俳優ってことで、ポスト・イーストウッドはブラッドリー・クーパーよりもベンアフだろう!と。

 

また、日本映画はかなり外しました。

あえて入れるとしたら「青春映画」だろうと。

日本にしかないんですよ、部活って。案外世界の映画と戦える題材なんじゃないかって思うんですよ、日本の部活を描いた青春映画って。

 

 

 

 

なんかもう、誰かと決めることや、世間体から解放されるとやりたい放題過ぎて収拾憑かんな~と思ったんですけど、案外あっさり決まりましたw

 

自分でやってみてもいいし、誰かと議論しながら決めてもいい。

ちょうど四半世紀を迎える今、記録するという意味も込めて皆さんも考えてみてはいかがでしょうか。

無茶苦茶大変だけど、楽しいよ。

 

一応今回は、「モンキー的映画のススメ」10周年記念の特別企画ということにしますw

とりあえず、文句は受け付けますが、その代わりそっちのベスト100も出してくださいねw

というわけ以上っ!あざっした!!

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