2025/08/22 22:00
左から、大野由美子(2BD)、内山結愛(RAY)、シュガー吉永(2BD)
2025年8月31日、東京・WWW Xにて〈RAY presents「Destroy the Wall」〉という3マンのライブイベントが開催される。出演するのは、シューゲイザーや民族音楽を取り込み進化を続けるアイドル、RAY、90年代初期よりワールドワイドに活躍するBuffalo Daughterのデュオ形態、2BD、そしてエキゾチックな音楽性で異彩を放つ、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINの3組。さまざまなジャンルを横断するアーティストが一堂に会するこの3マンライブは、まさに「壁を壊す」一夜になりそうだ。
今回OTOTOYでは2BDの大野由美子とシュガー吉永、そしてRAYの内山結愛とプロデューサーの大黒メロンが集い、鼎談を実施。お互いの音楽観、海外活動や創作の姿勢、そしてライブへの意気込みを語り合った。さらに記事の後半では、RAYの内山結愛による今回対バンする2組のレビューも掲載。こちらも併せてチェックしてほしい。
内山結愛(RAY)による、Buffalo Daughter & 2BD ディスクレビューはこちら
〈RAY presents「Destroy the Wall」〉
日程:8/31(日)
会場:SHIBUYA WWWX
時間:OPEN/START 16:30/17:15
料金:前売/当日 4,000円/4,500円(+1D)
出演:RAY、2BD 、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN
チケット:https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2527125&rlsCd=001&lotRlsCd=
鼎談 : 2BD(大野由美子、シュガー吉永) × RAY (内山結愛、大黒メロン)
インタビュー&文 : 西田健
撮影 : 大橋祐希
2BDは全然別のユニットという感覚
──8月31日に東京・WWW Xにて、RAYと2BD、そしてCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN(通称:チョコパコ)の3マンライブ〈RAY presents「Destroy the Wall」〉が開催されます。今回は、それを記念してRAYからメンバーの内山結愛さんと、2BDのおふたりにいろいろとお話をしていただこうと思っています。まず、それぞれの印象はいかがでしたか?
内山結愛(以下、内山):私は「一日一アルバム」というハッシュタグで、毎日SNSに音楽アルバムのレビューを投稿しているんですが、その中でBuffalo Daughterさんのアルバム『New Rock』に出会ったんです。Buffalo Daughterさんは声を楽器的・機械的に使うイメージがあって、素敵だなと思ってすぐに好きになりました。2BDさんは、歌声に体温や人間味があって、とても上品でエレガントな印象を受けました。私は声フェチなところがあるので、生々しく感じられる歌声がとても好きでした。今回、共演できて本当に嬉しいです。
シュガー吉永(以下、吉永):私、今日この取材のためにYouTubeでライブ映像(2024年12月30日に開催されたRAY ONE-MAN SHOW「全部、花 花と唄い、死ぬ」)を観てきたんですよ。最後に全員でシンバルを叩く演出があって、それが良かった。シンバルの上に花を置いて叩くんですけど、叩くたびに花が散っていくんですよ。しかもその前にはポエトリーリーディングがあって、「春の花が好きな人は春に死ぬんだ…」っていうシュールな詩が、グリッチ映像と一緒に出ていて、とてもかっこよかった。日本のアイドルをこうして間近で観る機会はあまりなかったので、新鮮で面白かったです。
内山結愛(RAY)
RAY ONE-MAN SHOW「全部、花 花と唄い、死ぬ」2024/12/30 at Shibuya WWW
RAY ONE-MAN SHOW「全部、花 花と唄い、死ぬ」2024/12/30 at Shibuya WWW
内山:ありがとうございます。観ていただいて、とても嬉しいです。Buffalo Daughterさんは30年以上活動していらっしゃるんですよね。
大野由美子(以下、大野):そうなんですよ。
吉永:内山さんが生まれる前から活動してますね(笑)。
内山:確かに(笑)! アイドルって3年くらいで一区切りすることが多く、長く続けていくのは難しい活動スタイルだと思っているんです。おふたりが30年以上も続けている秘訣が気になります。
吉永:それぞれ別の活動もしているし、あまり決め込みすぎずにやっているからなのかな。いろいろやるけど、気が向いたらバッファローに戻ってくるし。あとは仲間に恵まれていることが大きいですね。あと普段は一緒にいないのよ。音楽をやるときだけ一緒。普段の趣味も共通してないんですけど、音楽の趣味は共通してる。同じ音楽が好きなだけで、そのまま来ちゃってるからね。音楽という趣味が合致したからこそ、こうやって活動が続いてるのかな。
大野由美子(2BD)
内山:なるほど。おふたりの中で、「Buffalo Daughter」と「2BD」の大きな違いってどんなところにありますか?
大野:一見一緒に見えるから、わかんないよね(笑)。Two Buffalo Daughtersとしても活動していて、そっちはBuffalo Daughterの曲をふたりでやってるんだけど、2BDは全然別のユニットという感覚ですね。
吉永:Buffalo Daughterは3人のバンドなんですが、2BDはデュオなんです。ドラムもなく、よりミニマルで自由度の高い演奏をしようと思って始めました。バッファローも歌や曲の構成を意識しないスタイルではじめたんですけど、それもこれだけ長く続けると型ができてしまって。そこでまた違うことをやりたくなって、2BDを始めることにしました。2BDはライブでもきっちり決めず、出てくる音やアクシデントを楽しもうと思っています。最近はドラマーのオータコージさんを迎えているんですけど、「自由さは大事に」と伝えて叩いてもらっています。
大野:最初は「バッファローの新曲を作ろうか」という雰囲気だったんです。でも集まってみたら自然と「2BD」という名前でやることになっていました。違うアプローチができて面白かったですね。
シュガー吉永(2BD)
自由に活動をするためにも、権利は自分たちで持つのが一番