【原爆紙芝居】長崎で被爆…“紙芝居”で40年語り継ぐ83歳「一向に平和にならない」 バトンは“最年少語り部”へ 長濱ねるが取材

長崎で、自らの被爆体験を語り継いでいる83歳の女性がいます。40年にわたり手掛けた「原爆紙芝居」は30作以上。戦後80年を迎え、平和のバトンは最年少の語り部に渡されました。『news zero』火曜パートナーで俳優の長濱ねるさんが取材しました。

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■年に1冊…子供たちに語り継ぐ紙芝居

長崎市の城山小学校。爆心地に最も近い学校です。倒壊を免れた校舎の一部は平和祈念館として残されていて、長崎の子供たちの多くが平和学習で訪れています。

この場所でガイドをしている、被爆者の三田村静子さん(83)。40年間続けているのが、原爆の恐ろしさを紙芝居で伝えることです。

長濱さん
「(表紙に)三田村さんのお名前が。この紙芝居は普段からここに置かれて、皆さんが触れられるようになっているんですか?」

三田村さん
「はい。子供たちにと思って。紙芝居は便利だってね。どこでも持って行けるし。子供たちに語り継ぐには、このようにすればいいかなと。1年かかります。1年に1冊です」

■家で被爆も「ご飯を食べ続けていた」

被爆者や遺族への取材を重ね、仲間と一緒に制作した紙芝居は30作品以上に上ります。初めて作ったのが『原爆と共に生きて~放射線の悪魔と闘った~』。当時3歳、きょうだい4人で食事中に被爆した自身の体験です。次のような言葉がつづられています。

「この日は何故か米のご飯で私は嬉しくて夢中で食べていました。ちょうどその時です。ピカッと何かが光り強い衝撃を感じました。そして白い灰みたいなものがご飯の上に降りかかった事を覚えています」

「台所にいた兄は、衝撃で割れたガラスの破片で頭を怪我して出血、それでも私はご飯を食べ続けていたのです」

三田村さんはその後、きょうだいと一緒に防空壕(ぼうくうごう)に避難しました。作品にはこう描かれています。

「夕方になってから、恐る恐る防空壕から外に出てみると、火の手に追われ市街地から逃げてくる人たちが山を越えてくるのが見えました」

■防空壕へ…「怖くて覚えていない」

紙芝居で描かれた、被爆した場所に案内してもらいました。三田村さんの自宅があった長崎市福田地区です。海を望む高台で、三田村さんが「防空壕が崖の方で…」と教えてくれました。

長濱さん
「(防空壕に)次から次へと入って来る人の様子や、何を話していたかは覚えていますか?」

三田村さん
「怖くて覚えていない。怖かったですもんね。お姉さんが言った。『地獄ってこのように(絵で)描くんだ』と。もう、なんとも言えない」

■長濱さんの祖母「話したくもない」

語り継ぐとはどういうことなのか。長濱さんは自身の経験をもとに、三田村さんに語り掛けました。

長濱さん
「私の祖母も被爆者なんですけれども、被爆時のことを聞いても、『思い出したくもない』『話したくもない』と言うんですよね。語り部の方がいかにエネルギーを使って、我々に伝えてくれているんだと改めて実感して…」

三田村さん
「皆さんと対話して、平和につなげていけたらいいなと」

■“最年少の語り部”になった理由

高齢化が進み、“被爆者なき時代”が迫る中、ある動きがありました。

原爆が投下された8月9日。長崎市で三田村さんと一緒に鐘を鳴らしたのは、小学5年生の細井奏志さん(11)。三田村さんの被爆体験を引き継いで伝える“最年少の語り部”に認定され、ことしデビューしました。

細井さん
「このまま語り継ぐ人がいなくなったら、また原子爆弾が落とされちゃうかもって。それで(語り部を)やろうかなと思いました」

■再び迫りつつある「核の脅威」

戦後80年、若い世代に受け継がれる平和への思い。しかし、核の脅威は再び迫りつつあります。

長濱さん
「これほど被害があって、これほど今も苦しみ続けている方がいる中、一方世界ではまだまだ核が広がり続けているという、戦争がなくなっていないというのが、すごく悔しいし…」

三田村さん
「(核廃絶の)運動もしているんですけど、なかなかね。今世界は戦争しているけど、一向に平和にならないですね。私が運動をしても、またこんなに核が…本当に」
(2025年8月19日放送「news zero」より)

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1件のコメント

  1. ロシアは、米国の核戦略ミサイルの適切なメンテナンスが不十分だったため、スコットランドに輸送されたトライデント核ミサイルで大規模な核物質の漏洩と汚染が発生したと明らかにした。放射線量は許容値の5000倍を超え、日本の福島原発事故の深刻さを上回った。スコットランド在住者数名にも癌の診断が下された。

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