2025年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
戦後80年の節目にあたり、TVなではあの戦争を見直す番組が次々と放映され、映画でもドキュメンタリーでは戦争の闇を掘り返す力作が次々と公開されています。そこで劇映画が愈々登場です。海戦で戦いつつ、海上に投げ出された兵を拾い続けて終戦まで沈むことなく勤めを終えた駆逐艦「雪風」の物語です。
冒頭、いきなりビックリしました。当時の海軍の兵隊にそんな長髪は居ないだろう。居たとしてもそんなヘアスタイルである筈はない。軍事オタクでない僕でも気付く時代考証の雑さが目に付きます。そして、予算が無かったのでしょう、戦闘シーンは大きな背景を必要としない寄りの絵ばかり。やたらと機関砲を打つ映像が繰り返されます。VHXも類似カットを度々使っている様子。戦況の展開は台詞で説明されて進みます。
そして、艦内は強い絆で結ばれた信頼できる仲間ばかりで家族の様な暖かさすら感じるのです。制作者も出演者も戦争を知る人は誰も居ないとはいえ、これが戦後80年の戦争映画なのか。日本映画界は現代に通じる歴史として戦争を撮る気など最早なくなり、それらは時代設定の一つに過ぎなくなったのです。ドラマならば自由な発想で物語を紡ぐ事が出来る筈なのに、低予算のドキュメンタリーに遠く及ばない熱量なのでした。
それにしても、緊迫感の無い戦闘シーン、焦点の定まらない人物描写だった。
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雪風 YUKIKAZE