「鬼滅の刃」の最新映画が公開初日を迎え、キャラクターのパネルを撮影する観客ら=7月18日、東京都千代田区の「TOHOシネマズ日比谷」(写真:共同通信社)
80年前、韓国が日本の植民地支配から脱した独立記念日(8月15日=光復節)を目前に控えたタイミングで、日本のアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』の“突風”が韓国で議論を呼んでいる。
『鬼滅の刃』を“右翼アニメ”と評し、圧倒的な前売りチケット販売記録を批判的に眺める記事と、作品の完成度に絶賛を送る記事が同時にメディアにあふれ、韓国人の意見も二つに分かれているのだ。
『鬼滅の刃』は全体主義を美化している?
ニュースエージェンシー『ニュース1』は最も刺激的なタイトルで、鬼滅の刃の興行に対する複雑な心境を表した。
「“戦犯旗イヤリング”を光らせながら…光復節を目前にした『鬼滅の刃』前売りブームの騒ぎ」(8月12日記事)というタイトルの記事では、同作品の右翼論難について次のように説明する。
「原作漫画は右翼論議の中心にある。主人公が常に戦犯旗デザインのイヤリングを着用するのが一番大きな理由だ。同時にこの作品の時代背景が、日本帝国主義が膨張した大正時代(1912~1926年)であり、作品に登場する『鬼殺隊』が10代の若者で構成されているところが日帝時代の学徒兵を思わせるとの疑惑を受けるなど、全体主義を美化するのではないかという指摘を受けている…」
同記事は続いて、8月9日に予定されていた炭治郎と禰豆子のLG球団のプロ野球始球式が中止されたことに言及し、「韓国の封切りが光復節の1週間後の22日という点に対しても批判が強い」と伝えた。
同日、ネットメディアでは同じトーンの批判記事が殺到した。
「映画館不況にも30万の予約、極右論議でKBO始球式も取り消されたアニメ『鬼滅の刃』」(毎日経済電子版)
「光復節が目前に迫っているのに…前売り率1位の『鬼滅の刃』、前売り32万枚突破」(スポーツソウル)