歌舞伎を題材にした映画「国宝」(6月公開)が全国的に異例のロングヒットを記録する中、山梨県内の歌舞伎ゆかりの地も映画効果が出始めています。

 映画「国宝」は吉沢亮さんが演じる任侠の家に生まれた主人公が歌舞伎に人生を捧げ、人間国宝となるまでの半生を描いた作品で、山梨を拠点に活動するダンサー・田中泯さんも出演しています。

 日本文化を美しくドラマチックに表現したストーリーが話題を呼び、実写の邦画としては22年ぶりとなる興行収入100億円に迫る作品となっています。

 TOHOシネマズ甲府によりますと、山梨県内でも通常の上映期間より長い2カ月のロングヒットとなっていて、連日ほぼ満員が続いています。

観客
「鳥肌が止まらない作品だったが、なかなか(歌舞伎は)身近なものじゃないイメージだったが、昔からあるものが大事にされていくといいなと思った」

 映画のヒットで歌舞伎に注目が集まる中、山梨県内のゆかりの地、市川三郷町の歌舞伎文化資料館もその効果を実感しています。

 町によりますと、従来の来館者は地域の学校や歌舞伎ファンが多かったということですが、映画公開後からは歌舞伎の歴史や資料に関する問い合わせが増え、熱心に説明を聞く若い世代も増えているといいます。

歌舞伎文化資料館 八木敬子さん
「興味のある人たちなので案内も2時間になることも」

 全国的に高まる歌舞伎の熱に発祥の地として、今後に期待を寄せています。

歌舞伎文化資料館 八木敬子さん
「ここでもっと盛り上げてもらいたいと思う。若い人がこれだけ興味を持つということは庶民の娯楽としてもっと知ってもらいたい」

 資料館では今後、映画に関連する女形の展示を充実させていきたいとしています。

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