米メディア大手パラマウント・スカイダンスのデービッド・エリソン最高経営責任者(CEO)は13日、映画・テレビ番組の制作を拡大する方針を明らかにした。

  エリソン氏は、パラマウント・グローバルとスカイダンス・メディアによる合併で先週発足した同社の新経営陣をロサンゼルスで報道陣に紹介。同社の動画配信事業のパラマウント+(プラス)向けのコンテンツ制作を強化し、年間最大20本の映画を製作する計画を示した。優先事項には「トップガン」シリーズ第3作や「スター・トレック」の新作が含まれるとした。

  一方、2022年に発表されたアップルとの複数年のアクション映画製作契約は更新しない方針で、自社作品に注力する考えを示した。

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デービッド・エリソン氏

Photographer: Charly Triballeau/AFP/Getty Images

  パラマウント・スカイダンスはテレビ局CBSや音楽専門ケーブル局MTV、映画・テレビ制作スタジオを傘下に持つ。

  新体制発足からわずか1週間の13日、同社株は前日比37%上昇した。米CNBCの人気司会者ジム・クレイマー氏がX(旧ツイッター)への投稿で同社を「ミーム株」と評したことも、株価上昇を後押しした。

  新経営陣はすでに改革に着手している。11日には、米総合格闘技団体UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)の全試合を今後7年間にわたり米国で独占配信する権利を77億ドル(約1兆1300億円)で取得したと発表した。

  エリソン氏に加え、同社は社長に元NBCユニバーサル幹部のジェフ・シェル氏、テレビ部門会長にジョージ・チークス氏、ストリーミング事業責任者にネットフリックス元幹部シンディ・ホランド氏が就任する。

  UFCと契約を結んだものの、パラマウント+の月額8ドルの料金を現時点で引き上げる計画はないとしている。ただ、シェル氏は現状の価格は割安だとの認識も示した。

  エリソン氏(42)は独立系の映画・テレビプロデューサーで、オラクル創業者ラリー・エリソン氏の息子。負債が重しとなり伝統的なテレビや劇場向け作品の視聴者が減少する中、変革を迫られるハリウッドの老舗企業に対し、新たな資金と発想を持ち込むとしている。

原題:Paramount to Boost Film Releases With ‘Top Gun 3’ a Priority (1)(抜粋)

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