パナソニックの全自動ディーガ「DMR-2X603」でバラエティ番組を思う存分楽しみました
昔はバラエティ番組オタクだった筆者。大学時代は放送作家の養成学校に通い、作家見習いとして「クイズ雑学王」のクイズ作成を手伝っていました。大学卒業後はバラエティ好きが高じて、プロダクション人力舎に所属の芸人に。その後、TVウォッチャーというバラエティ番組を見まくるキャラで、TBSの番組に出演した経験があります。
芸人を辞めてから10年以上経過した今(現在37歳)は、ネット動画にどっぷり。好きな芸人さんのチャンネルや、特定の界隈のゲーム配信など、興味のある動画のみを視聴する日々。以前は雑食で視聴していたバラエティも、もはやTVerで「相席食堂」「水曜日のダウンタウン」などの特定のお笑い番組を見るだけになりました。
ただ最近は、おすすめ欄が自分の趣味嗜好に合った動画ばかりで飽和状態となり、ネット動画視聴もマンネリ気味。そのため、違った角度から動画コンテンツを楽しみたいと思うようになり、久しぶりにバラエティ番組を視聴しまくる生活に戻りたいと考えるようになりました。
そこでお借りしたのが、パナソニックの全自動ディーガ「DMR-2X603」(直販価格168,300円)。約2,700時間のハイビジョン放送を録画でき、最大10チャンネルの番組を最大約28日間にわたって全自動で録画することが可能な「全録」レコーダーです。古い番組は自動で上書き消去されるため、録画の予約や削除といった手間がなく、いろんなバラエティ番組を視聴するハードルも大きく下がります。
今回は、「DMR-2X603」を使用して便利だと感じた点や、全録機能でバラエティ番組を思う存分視聴してみて、ネット動画が普及している現在でも全録機能を活用してよかったと感じた点をお伝えしたいと思います。
お笑い賞レース「ダブルインパクト」で目当てのネタがすぐ見られる本体サイズは430×239mm×60mm(幅×奥行き×高さ)。HDD容量は6TB。無線LAN対応。録画できる10チャンネルのうち、BS・110度CSは最大5チャンネルまで選択可能
「DMR-2X603」は、UIのよさに定評がある機種です。筆者が以前フル活用していたブルーレイレコーダーは2010年発売のソニーの上位機種で、当時は動作がもっさりしていた印象がありました。
しかし、本機はそれと比べると使い勝手が段違いで、以前は読み込みに時間がかかっていた番組表もサクサク操作しやすく快適。ホーム画面は動画配信サイトのような仕様になっており、よく見る番組にすぐにアクセスして再生しやすくなっています。
ホーム画面の表示項目は「よくみる番組」「再生履歴」「AIおすすめ」「録画数ランキング」などから選択できるため、よく見る番組に素早くアクセスできる
家族で1台を共有する場合も、各自でプロフィールを登録すれば、それぞれ専用のホーム画面を作成できて便利
とくに便利だったのは、見たい番組の見たいシーンをすぐに視聴できる点です。音声付き早見再生機能では、録画番組再生中に再生ボタンを押すだけで1.3倍速、1.6倍速、2.0倍速と段階的にスピードを変更でき、ニュース番組の内容を手早く把握したい時にも役立ちます。
また、1分ごとのプレビュー画像により、気になるシーンへ即座に移動することも可能。十字キーの左右ボタンでは10秒単位の送り/戻し操作ができ、30秒のスキップ機能も備わっています。好みのシーンをすぐに見たくなる現在の視聴スタイルにマッチした使い心地を実現しています。
リモコンの十字キーの「右」ボタンで10秒後に送り、「左」ボタンで10秒前に戻す
これらの機能は、ネタ番組の視聴の際はとくに役立ちました。お笑い番組の賞レース「ダブルインパクト~漫才&コント 二刀流No.1決定戦~」(日本テレビ)を見る時も、審査コメントやCMを飛ばしながらお目当てのネタにすぐにたどり着けました。
追っかけ再生もできるので、賞レース中に帰宅しても配信のアップロードを待たずにすぐ視聴できます。みんなで家に集まって賞レースを見る時などは、一時停止すればピザの宅配を取りに行っても誰もネタを見逃す心配がありません。例えばM-1を見る時に誰かが後から合流する場合も、敗者復活戦からスムーズに鑑賞できるのはレコーダーならではの楽しみ方でしょう。
さらに効率的に活用するなら、パナソニックのテレビ番組情報サービス「ディモーラ」のプレミアム会員機能(月額330円)「シーン一覧」が役立ちます。番組の進行内容と時間が表示され、好きなシーンから再生できます。賞レースで特定の芸人さんのネタを見たい時や、歌番組で好きなアーティストの曲を聴きたい時に非常に便利です。
「ダブルインパクト~漫才&コント 二刀流No.1決定戦~」のシーン一覧。再生中に使用するとプレビュー映像付きで探せるTVer未配信の「ガキ使」や、作業用BGM代わりに「N響アワー」を視聴できる
実際に使ってみると、TVerで視聴する場合と比較したメリットにも気づきました。まず、CMをスキップできるので、CM視聴が面倒で気になっていたけど見なかった番組も気軽に楽しめるようになりました。
さらに、TVerと異なり、「ワンタッチ保存」機能でHDDに番組を簡単に保存できるため、視聴期限を気にせずお気に入りの番組をいつでも楽しめます。実際には保存したままで視聴しない番組も多くありましたが、「今はバラエティを見る気分ではないけど、いずれ見ておきたい番組」はけっこうあって、手軽にあとで見返せるようにしておけるのは助かります。
番組表で指定の番組に合わせて「ワンタッチ予約録画」ボタンを押せば保存できる
本機なら、ワンタッチ保存をしなくても、最大28日間番組を保存できるため、TVerの配信期間後にも番組を視聴しやすいです。
とくに番組表やサムネイルに登場しないマニアックな若手芸人さんを応援している場合、「あの回で〇〇さんがすごくウケてたよ!」といった情報をあとから知ることも多いもの。TVerの配信期間が終了して見逃してしまうことも頻繁にありますが、本機があればそのような事態を防ぐことができます。SNSで話題になっているのを見て気になった「千鳥の鬼レンチャン」(フジテレビ)のテツandトモさんの出演回をあとから視聴できたのも、全録機能のおかげでした。
TVerでは配信されていない「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ)などの人気バラエティ番組の視聴ができるのもメリットです。とくに、TVerでは限られた番組しか配信されていないNHKの番組も自動で録画されるため、「N響アワー」や「うたコン」といった豪華な音楽番組を作業用BGMとして活用するという、贅沢な楽しみ方もできました。
なお、TVerでは著作権の関係で一部の音楽や映像がカットされることもあります。たとえば、「じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告~」(テレビ東京)では、TVer版ではナレーションだけで過去の映像などが流れないことが多く、歯がゆさを感じていましたが、本機では制限なくスムーズに視聴できました。
知らなかった斬新なバラエティ番組と出会える喜び
番組表からお気に入りの番組を簡単に発掘することも可能で、おすすめ機能だけに頼らない能動的な選択もできます。普段とは異なるアルゴリズムでコンテンツを探すことで、思いがけないおもしろいコンテンツとの出会いもありました。
番組表で見たい番組に合わせて「決定」ボタンを押すだけで簡単に再生できる
番組表で表示する日付もカレンダーから選べる
「サンクスonデリバリー」(NHK)は番組表から偶然見つけた番組。佐藤隆太さんとAIさんがMCを務め、世界中を巡って感謝の気持ちを届けるドキュメントバラエティです。筆者が視聴したのは、日本のタコ輸入先第1位であるモーリタニアのタコ漁師さんに「ありがとう」を届ける回。スタッフが現地を訪問し、タコ好きな日本人からの感謝のVTRを漁師たちに見せると、「励みになる」「うれしい」という温かい感想が返ってきて心が和みました。この回は2024年11月に放送され大きな反響を呼びましたが、現在NHKオンデマンドでも配信されていない中、再放送で視聴できたのはラッキーでした。
また、ホーム画面の「AIおすすめカテゴリ」からもおもしろい番組を見つけることができました。テレビ東京の「秋山アーカイブ映像センター 素人ホームビデオなんとかする課」(テレビ東京)は、家庭で眠っているホームビデオを募集し、ロバート秋山さんが独自のアイデアとセンスで生まれ変わらせるという番組。持ち込まれるビデオは「30年前の家族のクリスマスパーティー」や「25年前の夫婦の東京から北海道へのヒッチハイク旅」といったもの。衝撃映像というわけではないのに、見ていると心が温まったり、パネラーのツッコミで笑えたり。「なんだコレ!」という感覚を刺激する、斬新なバラエティ番組との出会いの楽しさを再認識できました。
なお、気になっても時間がなくて消化しきれないバラエティ番組は、無料アプリ「どこでもディーガ」と連携すれば解決。録画した番組をスマホやタブレットに持ち出して、空き時間に手軽に視聴できるようになります。
番組表から好きな番組を選んで、「持ち出し」をクリックすればダウンロードできる
持ち出し済みの番組一覧の画面全録導入でネット動画を視聴するのも楽しくなった
ネット動画は同じ傾向の動画ばかりがおすすめされて食傷気味になっていましたが、全自動ディーガ「DMR-2X603」を使用したことで、メリハリが生まれて、ネット動画自体もより楽しめるようになりました。
従来のようにテレビ番組だけでは満足とはいきませんが、全録を導入したことで面白い番組に出会えるようになり、エンターテイメントの選択肢が広がって日々の生活がより豊かになったと感じています。「DMR-2X603」は、全録中は継続的にささやき声レベルの動作音があるのが気になりましたが、番組の長時間保存が可能で使い勝手もよく、製品自体への総合的な満足度も非常に高かったです。
しかし、本格導入するうえでネックなのは、168,300円という価格。ただ、機種は異なりますが「全自動ディーガ 定額利用サービス」(1,540円~)という選択肢もあり、サブスクリプション感覚で全録レコーダーを取り入れることもできそうです。