2025年8月13日

PCから投稿

鑑賞方法:VOD

1932年 アメリカの作品
邦題と原題名は非常に類似している。
この作品はサーカス団の内部を描いている。
そして見て字のごとく、サーカスと見世物小屋が一緒になったその中には、奇形や事故等で手足がなくなった者、病気によって見た目が一般的ではない人々がいる。
差別は、大昔からあると思われるが、この時代における、そしてサーカス団においてさえ、一般的な健常者とこの異形の人々は、セパレートしているのだろう。
そのことを、ハンスとフリーダの恋愛というモチーフを使って表現している。
随分前に地上波で見たことを思い出したが、内容は一切憶えていなかった。
物語そのものは、差別の極致を描きつつ、因果応報の法則とも取れる彼らフリークスの怒りによる復讐劇だが、彼らの見た目の異形と、クレアやヘラクレスの心の異形はまったく同じなのだろう。
見た目が一般的ではない彼らは、一般人を怖がる。
理由は、必ずキイの眼で見られ、なじられ、気持ち悪がられ、口撃され、そして暴行の対象となるからだ。
ハンスとフリーダは小人症の部類だろうか?
婚約しているにもかかわらず、ハンスは見た目が美しいクレアのことが頭から離れず、貢ぎ続ける。
その様子を傍で見ているフリーダは、クレアの本心をしっかり見抜いていた。
結婚パーティ
ハンスが遺産相続したと聞き、いち早く結婚に向けた計画を立てるクレアとヘラクレス
毒で殺して遺産を横取りする計画だ。
パーティはフリークス主催で行われたため、一般人の参加は当人のクレアとその友人ということでヘラクレスの二人。
しかし、クレアの本心が明るみになった。
さて、
ハンスはいったいどの時点で、そして毒を持った犯人をどうしたかったのだろう?
フリークスに対し、この言葉を遣って口撃することは、彼らにとっての最大の侮辱だ。
加えて偽装結婚で遺産を横取りするなどというのは、フリークスにとって許しがたいことだった。
サーカスにはフリークスも必要だが、クレアのように飛び切りの美女もまた必要だ。
物語は丸く収まっているが、サーカス団としては計画されたものは毒の瓶を取り上げ、犯人がクレアだったことを証明するだけだった。
しかし、クレアとヘラクレスの「計画」を聞いたビーナス
ヘラクレスを脅してみたが、彼は彼女を殺しにやってきた。
おそらくこのことが計画のすべてを狂わせたのだろう。
この事実により、フリークスは腹が煮えくり、我慢の限度を超えた。
冒頭 現在のサーカス団の中の見世物小屋の説明をするバーカー
彼の話 いったいなぜ彼女がこうなったのか?
この「事と次第」がこの物語
このオープニングも良かった。
昔日本で流行った「東洋のだるま」を思い出す。
この作品当時は、大っぴらな差別があったが、このような場所で働くことができた。
昨今、企業に求められる「障害者枠」
表面上の制度だけでは生きていけないのが実情
どこかのお笑い芸人は「女としてこんな顔に生まれて来てしまったから、お笑いしか道はなかった」と語ったのを思い出す。
「何でも同じ」が良いとされた2000年以前
「枠」という絶対的概念があった時代
多様性が認められるようになってきた現在だが、「生きやすい」という意味では程遠いように思う。
人間のその心理がアップデートされるには、いったいどうしたらいいのか?
そんなことを表面上出しておきながら、「統一」に走る世界情勢
グローバル化がもたらした間違い。
この作品はそんなことまで考えさせてくれる。

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