2025年8月12日

PCから投稿

鑑賞方法:映画館

これは医療ドラマというより、サバイバルドラマである。孤島の火山の大噴火で、どんどん危機が迫ってくる。このままでは誰も助からないという絶望的な状況を救うのが、今回の主役南海MERである。もうこれはダメかというピンチの連続であるが、そのたびにジャストタイミングで「救い」が現れる。これが現実なら、何回死んでいるのと突っ込みを入れたくなるが、息もつかせぬ展開に引き込まれて気にするひまもない。テンポの良さがこの映画の成功のポイントである。
全員が助かったのは、単なる奇跡ではない。南海MER、国及び自治体、島民の三者がそれぞれの役割を存分に果たし、有機的に連携できたから成しえたことである。特に島民が、自分の事より他の人々を助けるために力を合わせる場面には心が動かされる。自己犠牲ではなく、「共に戦おう、だけど自分は後でいいよ」という精神は、普段私利私欲で生きている人にはまぶしく映る。ギリギリの状況で何ができるか、何を優先するのかを皆が考えて行動していることが伝わってくる。どう脱出するかだけがテーマの脱出劇ではないのがいい。
離島医療を支援するために立ち上げた南海MERが、本当に必要かどうかをずっと議論している。離島を回って巡回医療をするだけならERカーのような高度な設備は必要ありません。緊急と言うことであれば、救急車のようにすぐに駆け付けることもできません。効率だけを考えるなら、検討委員会のように廃止の結論でしょう。しかし今回の南海MERの活躍を見た後では、絶対存続すべきだという意見になります。絶対的に不足している離島の医療インフラを補完するために、牧志先生のような住民との結びつきが第一だと考える医師が必要です。検討委員会では、牧志先生の精神を受け継いだメンバーの発言の後に喜多見が発言します。離島医療への南海MERの果たす役割を切々と訴えます。鈴木亮平の名演説は、「花まんま」のスピーチを思い出させます。でも最後は、南海MERの活躍を称賛する国内外の声に逆らえずに政治決断することになるあたりは納得してしまう。
みんながやれることを精一杯やって、最後はすべてうまくいくという、とてもスッキリする映画でした。

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劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション

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