EYESCREAMが主催するライブイベント「EYESCREAM NITE」。そのVOL.2に出演するTAILとREIKOによるスペシャル対談が実現。年齢もバックグラウンドも異なる二人が、音楽、ファッション、そしてそれぞれのルーツについて語り合った。

“EYESCREAM NITE” VOL.2

偶然の出会いから、必然の共演へ

ーEYESCREAM NITEで初共演となるお二人ですが、それぞれどのような印象をお持ちですか?

TAIL: 実は共通の友人が何人かいて、REIちゃん(REIKO)にはプライベートで偶然会ったことがあるんです。

REIKO: EYESCREAM NITEのツーマンが決まった時も、僕からTAILさんに「よろしくお願いします」とDMをお送りしました。TAILさんはとても素敵な先輩で、リズム・アンド・ブルースの音楽をされている印象です。だけど、燃えたぎる情熱というよりは、クールで哀愁が漂う感じ。僕はTAILさんの音楽を夜に聴きたくなります。

TAIL:REIちゃんの音楽を聴いて、「もしかしたら小さい時に聴いてた音楽が僕と近い感じなのかなぁ」って思っていました。なので、今回ライブでご一緒できるのがすごく嬉しいし、楽しみです。

REIKO: 僕は小さい頃からUSのPOPS、R&B、HIPHOPを聴いて育ちました。両親が2010年代初期の音楽が好きだったので、家でずっと流れていて。小学校に入ってからは合唱曲を聴くようになって、中学校では邦楽にハマり、高校ではK-POPを聴いていました。自分の音楽に昇華する時は特定のジャンルになりますが、「聴く」ということに関しては、どんなジャンルの音楽も好きです。

TAIL: 僕も小さい頃は親の影響が大きくて、家で流れていた80年代から90年代のR&Bをよく聴いていました。アーティストでいうとボビー・ブラウンやTLCなどですね。小〜中学生の頃は、R&BかHIPHOP以外はほぼ聴いていないような子供でした。アーティストになることを志したのは、高校受験の頃です。それまではアーティストとは異なる将来の夢があったんですけど、自分には合わないなと思って。ずっと身近な存在だった音楽の道に進むことに決めました。ヴォーカルやダンスを学ぶために芸能コースがある学校に進学したのですが、その高校の文化祭で行われていた「中学生カラオケ選手権」に出たのが、僕の初めての人前で歌った経験になりました。その時に感じた歌うことの楽しさが今も身体にこびりついていて、それがプロというものを意識し始めたきっかけです。

REIKO: 僕はTHE FIRSTのオーディションがきっかけでアーティストを目指すようになったんです。普通はきっと逆ですよね(笑)。オーディションを受けてみた時は音楽が好きな気持ちと好奇心でいっぱいでしたが、SKY-HIさんやオーディションを一緒に受けていた仲間、BE:FIRSTのみんなに影響されて、僕も本気でアーティストを目指したいって思ったんです。みんなすごくかっこいいなと思って。今の自分がいるのは、彼らの存在が大きいですね。

Photo by Ray Otabe

Photo by Ray Otabe

ーお二人とも海外との繋がりも深く、アジアでのライブも経験されていると思います。日本とのオーディエンスの反応の違いは感じますか?

TAIL: アジアツアーは、日本のお客さんとは全く反応が違って、みんなで一緒に全曲大合唱みたいな感じでした。僕もそれに答えたくて、自分自身のパフォーマンスもどんどんアクティブになっていくんです。日本のファンの方はどの曲もしっかり聴き入ってくれて、曲に込めたメッセージのすべてを受け取ってくれる印象ですね。なので、ライブのセットリストも、海外と日本では変えています。

REIKO: 僕も同じ印象で、アジアの方はライブを“観る”という感覚より、ライブを“楽しむ”という方が強いのかなぁという印象があります。知らない曲でも一緒にノってくれるので、それが僕の心の解放にも繋がります。一緒にパーティーをしているイメージ。僕はツアーを海外で開催したことはまだないので、もしそのような機会があれば、TAILさんがおっしゃっていたように、海外ならではのセトリを作って、お客さんの反応の違いを楽しみたいです。

音楽の枠を超えたクリエイティブの源泉

ーEYESCREAMは音楽はもちろん、ファッションやアートといったカルチャー全般を扱う媒体です。なので、お二人のスタイルについてもお伺いできればと思います。

TAIL: 僕は色々なジャンルの洋服を着るんですが、一つ共通していることがあって、「品のあるものをいかに破壊するか」みたいな着方を考えるのが好きなんです。例えば、すごく綺麗なテーラードジャケットだったら、デニムとかでルーズに合わせたり。音楽もそうなんですけど、ルーツを感じさせるものをいかに自分らしく染めるのか、みたいなことを意識しています。高校生くらいの時に、海外のストリートスナップの雑誌にはまって以来、いまだにそのスタイルは変わらないですね。

REIKO: 最近、自分の「好き」がどんどん分かってきて、今は海外から観光で日本に来た方が着ているようなファッションが好きです。伝わるかな(笑)。「夏を楽しんでいます」みたいな。数年前までは、色々なファッションを試してみたい気持ちが強かったので、写真を見返すと「なんだこれ」みたいな感じでした(笑)。自分のアーティスト性を模索するのと近い感覚だったんですよね。でもそれも人間らしくていいのかなと思っています。

ーファッション以外にも、好きなカルチャーはありますか?

TAIL: アート展やギャラリーにはよく行きますね。あとは最近、インスタレーション型のアートギャラリーがとても増えているので、よく足を運んで、自分のステージ構成の参考にしたりしています。また、自分のジャケットなどを制作する際は必ず、アートブックを読み漁るんです。僕は音楽のコンセプトとは別に、ビジュアルコンセプトも考えるタイプで、アートブックなどからインスピレーションを得ています。

ー最近気になっているアーティストの方などいらっしゃいますか?

TAIL: 最近、観に行ってすごく面白かったのは、オラファー・エリアソンの展示です。建築や彫刻など、芸術家として幅広く活動されている方で、以前、麻布台ヒルズで展示が行われていたんですけど、新しいアートの価値観や思いもよらない発想があって、影響を受けました。

REIKO: 僕は映画が大好きで、この映画のカメラワークが素晴らしいなとか、この脚本いいなとかを意識して観ています。自分が歴代好きな映画だと『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ですね。脚本も、美術も、プロップスも、カメラワークも全部よくて、役者さんのお芝居もめちゃくちゃいい。おすすめです。

TAIL: 僕も映画は好きで、最近ですと『サブスタンス』を観て、衝撃を受けました。ホラーでもあるし、コメディでもあるって、シーンの見せ方も印象的。ミュージックビデオ的な作り方がされていて、そこも面白いです。すべての要素を全力でぶつけられた感じで、こういう作品からもとても刺激を受けます。

REIKO: 僕もとても好きな作品でした。最初から最後まで衝撃的でしたよね。

ーお互いで気になっていることなどあれば、この機会に自由にご質問していただければと思います。

REIKO: ご飯いつ行きますか?

TAIL: いつ行こっか!

REIKO: もっとTAILさんのことを知りたいですし、プライベートなお話もしてみたいので、ぜひ行きたいです!

TAIL: じゃあ僕からの質問なんですが、BMSG所属のアーティストの方々は事務所の色が強い印象があって、その中で、ソロアーティストとしてどうやって個性を出し、活動されているのかを聞いてみたいです。

REIKO: 結構変化しますね。BMSGには、SKY-HIさんを含むソロアーティスト5人による「BMSG POSSE」というクルーがあって、悩んだ時はそのみんなに相談しています。僕らの事務所は、プライベートとアーティストの自分を分けて考えないんです。全てが地続き。自分の生き様そのものをステージに出せるように、というのを大切にしているからこそ、事務所の仲間が精神安定剤になっています。

ーでは、EYESCREAM NITE VOL.2に遊びにくる読者にメッセージをお願いします。

TAIL: 僕はやっぱりこういうイベントって、お客さん同士が交わることが一番の醍醐味だと思うんで、僕のファンの人たちにもREIちゃんの音楽を好きになってほしいし、もちろん、僕の音楽を初めて触れた人からも好きになってもらえたらいいなと思います。

REIKO: 音楽を表現するアーティストとして、TAILさんと違う部分も同じ部分もお見せできたらいいなと思います。幅広い音楽のジャンルに触れて楽しんで欲しいです。

TAIL: 8月13日に、向井太一名義で2年ぶりに新曲をリリースするんですが、その楽曲も今回のライブで歌わせていただく予定です。「TAIL」という名義では、とてもコンセプチュアルな表現をしてきたので、次のメッセージを届けたい時に、「向井太一」の方が伝えやすいなと思ったんですよね。フリーランスになって、ファンの皆さんや支えてくれたチームの皆さんへの感謝の気持ちを伝えたかった。そういったものを全部ひっくるめて、今まで長くやってきた「向井太一」をもう一度やってみようかなと思っています。そちらも楽しみにしてもらえると嬉しいです。

向井太一が約2年ぶりとなる新曲「Eyes on you」を配信リリース

REIKO: 僕は4月から6月にかけて、R&B三部作を3曲連続でリリースしました。ニュージャックスウィングのサウンドや2000年代初期のビートが心地よい、体が揺れるような楽曲になっています。R&BのREIKOを存分に楽しんでください。

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