ー エイミー・ワインハウスがデビューし、ロッキング・オンで紹介された時には半信半疑だったが、その後、代表曲である男への恨み節を歌った”Back to Black”、自らのリハビリ経験をアップテンポで歌った”Rehab”を聞き、速攻でセカンドアルバムを買い、そのソウルフルな歌声に魅了されたものである。
  その後、彼女の死により存在は忘れられたかに思われたが、昨年「Back to Black エイミーのすべて」が公開されると知った時には、慌ててラックの奥から「Back to Black 」を引っ張り出して、聞き込み映画を観たモノである。

  で、今作。
  エイミー・ワインハウスが急逝したのは今作にも頻繁に登場する”ブレイク”と言う彼女が惚れた恋人でありヒモの男のせいとされていたが、観ると原因は彼女の精神的な弱さに起因するのではと思ったのである。

  それは、生い立ちに起因する部分もあるのかもしれないし、彼女が信頼していた祖母シンシアの死が原因かもしれないが・・。

  で、思ったのだが、オーバードーズで急死した数々の俳優や歌手は、”栄光”と言う怪物に呑み込まれてしまった人達ではないかと思ったのである。

  これは、ニルヴァーナのカート・コバーンがグランジロックの雄として、「ネバーマインド」で世界的ロックスターになりながら、セカンドアルバム「イン・ユーテロ」を発表した際にそのアルバムを聞き、”これはまずいのではないか・・。”と感じた後に彼がライフルを口に咥えて自殺したという記事をロッキング・オンで読んだ時に強く感じた事である。

  と、偉そうに書いて来たが、私自身が一昨年、長年に亘る飲酒により、肝臓の数値が正常値の50倍になり、流石に身体の調子が悪くなり、子供のかかりつけ医に行った際に、即入院を言われた事を思い出した。エコー検査をし、脂肪肝である事が分かり、即座に断酒。懸念していたアルコール中毒症状は出ずに、定期的に血液検査をし、半年一滴も飲まずにいたところ、血液の全数値が正常値内に戻ったのである。
  入院はしなかったが、医者からは”連続飲酒の習慣が無かった事(二日酔いの時に、朝から飲むという奴ですね。)”、身体が異常に丈夫な事(小学生以降、風邪を引いた事がない。)などが起因しているのではと告げられたことを思い出す。
  で、その後も飲酒は2週間に一回、酎ハイの缶を一本だけと決めている。アルコールはボトルでは買わない事も決めた。

  ご存じの方も多いだろうが、日本の昭和の大作家や俳優の死因の上位には肝硬変がある。序で自殺である。
  プレッシャーが大きいが故に、酒に頼り結果として肝硬変になるという事らしい。

  今作を観ると、エイミー・ワインハウスは何度も、アルコール、薬物から脱する機会がありながら、最後は長年のアルコール摂取による心臓発作で亡くなったとある。僅か27歳である。残念としか言いようがないが、今作品を観て思ったのは、
  【如何にプレッシャーが大きくとも自己節制、管理能力を持つ事の大切さ】である。

  親から頂いた尊い命は、自然に尽きるまで永らえさせなければいけないな、と思った哀しきドキュメンタリー映画でありました。瞑目・・。-

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