まず、最初に言わせてください。
筆者は『Sky 星を紡ぐ子どもたち』(以下、Sky)の “大大大ファン” です。

約1年前にリリースされたPC(Steam)版のリリースとともに、本作を遊び始めた筆者はこの1年で2000時間以上を費やし、趣味でやっている個人YouTubeでは半年以上にわたり毎日配信を行ってしまったほど。

2024年の年末に電ファミで掲載された「今年いちばん遊んだゲーム」記事では『Sky』を1200時間遊んだことを紹介させていただいております。

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映画『Sky ふたつの灯火 - 前篇 -』レビュー・感想・評価:ゲームではあまり語られてこなかったストーリー展開にハンカチ必須_001

今回なんと、そんな『Sky』の「原点」となる物語を描いたアニメーション映画『Sky ふたつの灯火 – 前篇 -』の試写会にご招待いただきました。

光栄すぎる、行かせてください!!!

ということで本稿では、これから映画を見ようと思っている星の子をはじめ、『Sky』にあまり詳しくない方にも魅力が伝わるよう、たっぷり映画を紹介していきたいと思います。

電ファミでは本レビュー記事にあわせて、thatgamecompany・CEOであるジェノヴァ・チェン氏と映画の監督であるエヴァン・ヴィエラ氏に開発秘話を聞いたインタビュー記事も掲載中。

映画に関する “意外な話” を聞けたので、興味があればあわせてチェックしてください。

取材・文/cookieP
編集/柳本マリエ

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映画『Sky ふたつの灯火 – 前篇 -』特設サイトはこちら『Sky 星を紡ぐ子どもたち』公式サイトはこちら

本稿では予告編や場面写真以上のネタバレは含まれません。未視聴でも楽しめます。
映画は『Sky 星を紡ぐ子どもたち』内のシアターでもご覧いただけます。

目次

映画のあらすじとゲームとの繋がり

まず、本作を知らない方に向けて、ゲームとあらすじを紹介させてください。すでに本作を知っている方は飛ばしてもらってOKです。

『Sky』 は、iOS、Android、Nintendo Switch、PlayStation、PC(Steam)で配信中のソーシャルアドベンチャーゲーム。他人とのつながりを意識したゲームデザインが特徴的であり、プレイヤーは「星の子ども」として、地上に落ちた星々を星座の元へ帰していくことを目指していきます。

2019年にリリースした本作は多くのプレイヤーの心をつかみ、全世界での総ダウンロード数は累計2億7千万を突破。2023年8月にはオーロラとのコラボコンサートにおける「最も多くのユーザーが参加したコンサートがテーマの仮想空間」のギネス記録も更新しました。

映画『Sky ふたつの灯火 - 前篇 -』レビュー・感想・評価:ゲームではあまり語られてこなかったストーリー展開にハンカチ必須_002(画像は『Sky 星を紡ぐ子どもたち』Steamストアページより)

そして、『Sky ふたつの灯火 – 前篇 -』はそんな本作の「原点」となる物語を描いたアニメーション映画。作中ではこれまで語られてこなかった、以前の王国の姿を前後編に分けて描いているとのこと。

本作で主人公となるのは孤児の子ども。この世界では「身体が結晶化してしまう」という謎の流行り病が生き物たちを蝕んでおり、子どもはある日その病に侵された1匹のマナティと出会います。

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子どもはマナティを助けるために人目を避けて彷徨っていると、人々から忘れられた古い神殿の廃墟にたどり着き、そこで見つけた「魔法のキャンドル」を使ってマナティの痛みを和らげることに成功。

それから数年後、子どもとマナティは共に成長し、やがて世界の命運に立ち向かう存在となっていく──。

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作中では闇に抗う、友情の灯火の仄かなゆらめきや絆が描かれています。

また本作は言葉が存在しないゲーム本編と同様に、映画でも言葉を用いず動きや感情でストーリーを紡ぐ「サイレント映画」であることも特徴のひとつ。日本劇場版でのみ梶裕貴さんが起用され、ナレーターとして各章の冒頭に表示されるテキストに声を当てています。

作品の概要を掴めたところで、ここからは見どころを紹介させてください。

「優しさが詰まった物語なんだろうな〜」→「……!?!?!?!?!?」

まず、本作を鑑賞するなら覚悟が必要だと感じました。

だって、泣いちゃうから……!

「そんなに!?」と思うかもしれません。しかし声を大にして言いたいです。「ハンカチを持って行ってください」と。

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筆者は本作を視聴するにあたり、事前情報をほとんど入れませんでした。そのためてっきり「ゲームのような優しい物語が紡がれると」思っていたんです。『Sky』ユーザーならそう思いませんか?

しかし、実際は違いました。トレーラーからもわかる通り、作中では支配者によって闇が訪れた世界を舞台に、闇と人々の“抗争”および子どもの“成長”を描いた物語が紡がれています。つまりは、ゲーム本編ではほのめかされこそすれど、前面で大々的には語られてこなかったシリアスなストーリーが展開されるということ。

本作はまさに「感情のジェットコースター」に乗ったような体験でした。全4章で展開されるストーリーは「悲しみ」「癒し」「許し」といった明確なテーマがあり、「喜怒哀楽」のような物語構成になっています。これらは、章ごとに違った感情を引き出し、最終的には感動と余韻が残されました。

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だからこそゲームのファン・星の子たちは本作は “絶対に” 見てほしい。なぜなら上記の感情は、ゲームのストーリーを知っているとより深みがでるからです。

筆者は『Sky』という作品はこの映画を見てこそ完成する【※】のではないかとすら感じました。というのも、作中で謎だった仕様、捨てられた地の荒廃した建物の数々、時代背景など今まで語られていなかった空白の情報が映画のストーリーで補完されるからです。

もし、『Sky』のストーリーについて疑問点を持っていたら、それは映画を見れば解決するかもしれません。また、映画の後編で語られる可能性も大いにありそうです。

※『Sky 星を紡ぐ子どもたち』の物語は、星の子が天空を目指すという大まかな本筋はあるものの、詳細なストーリーや一部ロケーションに関しては、多くの謎が残されている。

マナティちゃ〜ん!!!かわぅいいね〜!!!!!!!!

さて、そろそろ筆者の心の中にある『Sky』愛を爆発させてもよろしいでしょうか。まずこの画像を見てください。

──っ!!!!!

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!!!!!!!!

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はわわぁぁわ!!!!!!!!!

かわぃぃい!!!!!!!!!!!!!(ジャンプエモート連打)

映画『Sky ふたつの灯火 - 前篇 -』レビュー・感想・評価:ゲームではあまり語られてこなかったストーリー展開にハンカチ必須_009暴れる筆者

本作を視聴する際は、筆者のような「マナティ」ファンは “理性を失わないよう” に気を付けてください。作中では大小さまざまなムチムチがたくさん登場し、顔から尻尾まで、超絶かわいく表現されていました。

なかでも、ゲームではよく見えない口元の表現は非常に秀逸であり、ムチムチなフォルムからは考えられないほど、小さく猫みたいな口から “開発陣のフェチ” を感じます。ジェノヴァアアア!!!! これが好きなんだろおおお!!!!!

もし、私がこの世界に住んでいたら、マナティを一生モニモニして暮らしたい。あったかそうだ……。

映画『Sky ふたつの灯火 - 前篇 -』レビュー・感想・評価:ゲームではあまり語られてこなかったストーリー展開にハンカチ必須_010

このように、映画の世界でもマナティをはじめ、『Sky』の世界に登場する生き物たちが多く登場します。実際、トレーラーだけでも、鳥や蝶々といった生物が確認できました。

そして、本作で筆者の心を動かしたのはマナティだけではありません。この町で生きる人々です。

ゲーム内で精霊として語られる人々が全員生きている……。これがなんとも感慨深い。映画を見ていると「あっ動いてる」「あの衣装着てる」といったという驚きや発見があり、慣れるまでは違和感がありました。しかし、そこに息づく人々からは、精霊とは異なる生命力とゲームでは味わえない感動があります。

このなんとも言えない気持ちは、ゲームへの思い入れが強いからかもしれません。

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「これ、あそこじゃ〜ん!!!」ゲームと映画のマップの繋がり

前述のとおり、映画はゲーム本編の過去の世界が舞台となっています。映画を見ていると今と姿は違えど「おっ、これってあそこじゃ~ん!」といったロケーションや建物が多くありました。やっぱり、見覚えのある地形がでてくるとなんか嬉しい……。

映画の舞台となるのは現在の「捨てられた地」にもともとあった王国。現在では見るも無残な姿で、あたりには瘴気が立ち込めており、「暗黒竜」と呼ばれる敵対生物に支配されていました。

この「捨てられた地」はゲーム内では謎に包まれており、どうしてこのように荒廃してしまったのかは作中で語られていません。そのため、その真相が知れる映画では、少し悲しい気持ちがありつつも、終始高揚感に包まれていました。

そして、本作を紹介するうえで絶対に書きたかったことがあります。

筆者はこの映画をとおして『Sky』をはじめてプレイした日の事を思い出しました。Steam版のリリースとともにはじめた筆者は、はじめのオープニングムービーで涙。その後は『Sky』内でできたフレンドと孤島エリアを探索し、寄り道をしながらものんびりと原罪へ足を運びました。

あのときに感じた、「未知の領域を探索する高揚感」「心温まる交流」そして「感動」は今でも忘れることができません。今でこそ毎日遊んでいるため、そのような感情に慣れてしまっている部分もありますが、なにもかも本当に楽しかった思い出があります。

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そして、この映画には “そのような感情” がある。

楽しかった……。おもしろかった…….。
星の子たちはきっとそういう気持ちになると思います。

現在『Sky』では8月18日までの期間、6周年イベントを開催しており、くわえて映画とのコラボシーズン「ふたつの灯火の季節」も開催しています。映画にまつわるアイテムや、新エリアも追加されているため、興味があればあわせてチェックしてみてください。

映画『Sky ふたつの灯火 - 前篇 -』レビュー・感想・評価:ゲームではあまり語られてこなかったストーリー展開にハンカチ必須_018「ふたつの灯火の季節」のアイテムを使ったコーデ

なお、最後に余談となりますが、上記のコラボシーズン「ふたつの灯火の季節」で追加された“とあるアイテム”を使うことで、マナティをめちゃくちゃモフれます。TGC、ありがとう。

『Sky 星を紡ぐ子どもたち』はiOS、Android、Nintendo Switch、PlayStation、PC(Steam)で無料配信中。

映画『Sky ふたつの灯火 - 前篇 -』レビュー・感想・評価:ゲームではあまり語られてこなかったストーリー展開にハンカチ必須_019最高のアイテム

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