ディズニー、「マンダロリアン」俳優と和解 解雇めぐる訴訟で

米俳優のジーナ・カラーノ氏(2019年11月13日撮影)。(c)Nick Agro/AFP

【AFP=時事】米ディズニーは7日、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)、トランスジェンダーの権利に関する扇動的なSNS投稿を理由にディズニープラスのドラマ「マンダロリアン」を降板させられたのは不当解雇だとして同社を提訴していたジーナ・カラーノ氏と和解したと発表した。

カラーノ氏はドナルド・トランプ大統領の支持者として知られ、2021年まで「マンダロリアン」で主要な役を演じていた。昨年、億万長者のイーロン・マスクの支援を受けてディズニーを提訴していた。

ディズニー傘下のルーカスフィルムの広報担当者は7日、ディズニーおよびルーカスフィルムは「係争中の訴訟の問題を解決するためにジーナ・カラーノ氏と合意した」と述べた。

ディズニーはAFPへの書面で、「近い将来、カラーノ氏と協力する機会を模索していくことを楽しみにしている」と述べた。

格闘家から俳優に転身し、歯に衣着せぬ物言いで知られるカラーノ氏は2021年、「文化的・宗教的アイデンティティーに基づいて人々を貶める」SNS投稿は「忌まわしく容認できない」としてディズニーから解雇された。

カラーノ氏のある投稿は、米国における保守派を、ナチス・ドイツにおけるユダヤ人になぞらえているようだった。

投稿には、「ナチス兵士は何千人ものユダヤ人を簡単に一斉検挙できた」「政府はまず、彼らがユダヤ人であるというだけで隣人に憎まれるようにしたからだ」と書かれていた。

「政治的見解を理由に人を憎むことと何が違うのか?」と締めくくり、ナチス・ドイツでユダヤ人女性が暴行を受けている生々しい写真を添えた。

別の投稿は、カリフォルニア州で新型コロナウイルスのパンデミック中に何枚ものマスクを着用していた人を嘲笑しているようだった。

カラーノ氏は以前、自身のツイッター(現X)プロフィールで希望する代名詞は「ブープ/ボップ/ビープ」だと書き、トランスジェンダーコミュニティーを激怒させていた。

■「真実はあなたを自由にする」

カラーノ氏は当初の訴訟で、個人的な政治的見解を表明したことがきっかけで「極左の」オンライン集団に追い詰められ、ディズニーに評判と将来の就職の可能性を傷つけられたと主張していた。

カラーノ氏は、Xを利用して言論の自由を行使した後に解雇された人を支援するというマスク氏の公開申し出に応じ、カリフォルニア州での訴訟にはXが資金を提供した。

カラーノ氏は以前、「マンダロリアン」のスピンオフ作品として企画されていた「Rangers of the New Republic」の役を逃したと主張していた。この役は「1エピソードあたり15万〜25万ドル(約2200万〜3700万円)」の報酬が見込まれていた。

カラーノ氏はトランプ氏の最近の選挙運動も支持し、昨年ラスベガスで行われた選挙集会でも演説した。

ディズニーもカラーノ氏も合意条件を明らかにしていないが、カラーノ氏はソーシャルメディアで訴訟の和解に言及したようだ。

カラーノ氏は7日、Xに「…そして真実はあなたを自由にする」と投稿した。
【翻訳編集】AFPBB News

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