記事のポイント

アメリカンイーグルの広告が言葉遊びを巡って批判を受けつつも、株価を10%押し上げた。

クインスが2億ドルの資金を調達し、デュープ主体のビジネスがブランド価値に進化できるかが議論に。

タイ・ヘイニー氏が再びアウトドアボイシズに復帰し、ブランド刷新と懐古性を融合した再始動を図る。

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Glossy Podcast(グロッシーポッドキャスト)では、インターナショナル・ファッションレポーターのゾフィア・ズヴィエグリンスカ氏が編集長のジル・マノフとともに、ファッション業界を形作る3つの主要な話題について語った。

最初に取り上げられたのは、アメリカンイーグルアウトフィッターズ(American Eagle Outfitters)の「シドニー・スウィーニー・ハズ・グレート・ジーンズ(Sydney Sweeney Has Great Jeans)」キャンペーンだ。このキャンペーンは、「ジーンズ(jeans)」と「遺伝子(genes)」の言葉遊びが優生学を想起させるとして批判を浴びる一方で、同社の株価を最大10%押し上げた。

同時に、ヴォーグ(Vogue)はAI生成によるゲス(Guess)の広告を発表。これはすべて外部のエージェンシーによって制作されたものだった。

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記事のポイント

アメリカンイーグルの広告が言葉遊びを巡って批判を受けつつも、株価を10%押し上げた。

クインスが2億ドルの資金を調達し、デュープ主体のビジネスがブランド価値に進化できるかが議論に。

タイ・ヘイニー氏が再びアウトドアボイシズに復帰し、ブランド刷新と懐古性を融合した再始動を図る。

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Glossy Podcast(グロッシーポッドキャスト)では、インターナショナル・ファッションレポーターのゾフィア・ズヴィエグリンスカ氏が編集長のジル・マノフとともに、ファッション業界を形作る3つの主要な話題について語った。

最初に取り上げられたのは、アメリカンイーグルアウトフィッターズ(American Eagle Outfitters)の「シドニー・スウィーニー・ハズ・グレート・ジーンズ(Sydney Sweeney Has Great Jeans)」キャンペーンだ。このキャンペーンは、「ジーンズ(jeans)」と「遺伝子(genes)」の言葉遊びが優生学を想起させるとして批判を浴びる一方で、同社の株価を最大10%押し上げた。

同時に、ヴォーグ(Vogue)はAI生成によるゲス(Guess)の広告を発表。これはすべて外部のエージェンシーによって制作されたものだった。

また、D2Cブランドの分野では、クインス(Quince)が2億ドル(約292億円)を調達し、評価額を45億ドル(約6570億円)に倍増させたことで、「デュープ・ファースト(類似品優先)」モデルが長期的なブランド価値へと進化できるかどうかをめぐる議論が巻き起こっている。

後半では、マノフがシニアレポーターのサラ・スプルック・ファイナー氏と対談。2013年にD2Cアスレジャーブランド、アウトドアボイシズ(Outdoor Voices)を創業したタイ・ヘイニー氏の、ブランド復帰にまつわるサプライズについて語り合った。

アウトドアボイシズのタイムカプセル状態と新たなデザイン方向性

スプルック・ファイナー氏:アウトドアボイシズは過去5年間、タイムカプセルの中に閉じ込められていたような状態だった。たとえばクラウドニットのスウェットパンツを履き潰した人が新しい一着を買うことはできたが、ブランドに戻ってくる新たな理由がなかった。私も5年間も引き出しに放置していたギフトカードがあるが、新しい商品に使えることを願っている。

今回特に心惹かれたのは、テクニカルなアクティブウェアの経歴ではなく、いわゆる本格的なファッションブランドで経験を積んだデザイナーを起用している点だ。ヘイニー氏は今回、「レイヤリングやファッション性の高いレクリエーションウェアといったライフスタイル要素を取り入れる自由を、ようやく得られた」と語っていた。これは彼女にとって初めてのことだったそうだ。

ヘイニー氏の創業期を振り返って

スプルック・ファイナー氏:彼女は当時の経験にとても感謝していると話していた。アウトドアボイシズを築き上げた過程の90%は本当に素晴らしかったが、10%はとても大変だったという。彼女が最終的にブランドを追われた際の内幕は明らかにされていないが、当時はミッキー・ドレクスラー氏との世代間の意見の違いが原因とされた。

これまで女性起業家は厳しい評価にさらされてきた。報道もまた、彼女たちに異なる基準を課していた部分がある。けれど、今回の彼女はとても穏やかで、当時をしっかりと振り返り、良いことも悪いことも冷静に受け止められるようになった印象だった。

ブランド再始動の戦略と狙い

スプルック・ファイナー氏:正直、ファッションハウスからデザイナーを招いたという決断に感銘を受けたし、ちょっと大げさに聞こえるかもしれないが、感動すら覚えた。きっとユニークな視点をもたらすと思う。さらに、創業当時のメンバーも一部戻ってきている。だから今回は、懐かしさと現代性の融合になるはずだ。ロゴの刷新、新たなデザインアプローチ、そしてこれまでのミレニアルD2C美学とは異なる世界観。今後の展開は非常に興味深いものになりそうだ。

[原文:Glossy Podcast: American Eagle’s controversy, Vogue’s AI ad, Quince’s mega-valuation — and Ty Haney’s return]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳・編集:的野裕子)

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