成長の踊り場となった2024年、化粧品業界の次なる焦点は?

米「WWD」が発行する「BEAUTY INC」は毎年、グローバル化粧品企業の公開情報を基に、トップ100社の売上高ランキングを発表している。2023年は、スピードと柔軟性がキーワードとして初めて登場した。しかし24年、化粧品市場の見通しに不透明感が広がった。地政学的緊張に加えてかつてないほど複雑化する消費者動向、そしてAIやバイオ分野の技術革新により、ビューティ業界は大きな転換期を迎えている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年7月28日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)

2024年のトップ100社合計の売上高は、2520億9000万ドル(約38兆3176億円)に達した。しかし、前期比2.8%増の成長にとどまり、23年の5.3%増からは半減。長引く中国経済の減速が大きな影響を及ぼし、多くの企業がリスク回避や高成長が見込まれる分野への集中を図るため事業再編を余儀なくされた。トップを独走するロレアル(L’OREAL)は、100社合計の売上高の18.7%を占め、シェアは前期比で0.5ポイント上昇。上位10社合計の売上高は1474億9000万ドル(約22兆4184億円)となり、シェアは同0.9%減の58.5%を占めた。厳しい市場環境にもかかわらず、73社が売り上げを伸ばした。しかし、2ケタ成長を遂げたのは29社にとどまり、前年の37社から減少した。これは、市場全体の成長が鈍化していることを示唆している。売り上げが減少した企業は17社で、そのうち7社は10%超え、3社は20%超えの大幅な減少を記録した。

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