2023年12月から約1年半もの間、「QJカメラ部」の連載を続けてきた工藤遥。趣味のカメラとの向き合い方は、連載を通してどのように変化したのか。
「QJカメラ部」の写真をまとめた工藤遥Photo&Essay『filming』は7月25日から大好評発売中。今回は、本書に収録しきれなかったインタビューをQJWebで特別に公開する。
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「フィルムカメラっておもしろい」と思うきっかけに
工藤遥Photo&Essay『filming』より
──「QJカメラ部」の連載を続けてきて、写真に対する意識に変化はありましたか?
工藤 以前はいいと思った写真を何気なくSNSに載せているだけでしたが、連載が始まってからは自然と、満足できる仕上がりの写真を連載用に、それ以外はSNS用に……と、線を引いて考えるようになりました。
私も「QJカメラ部」の読者だったので、「恥ずかしくない作品を」という矜持が生まれた気がします。あとは、カメラのフィルムのふたを一瞬開けてわざと光を入れてみるなど、カメラマンさんに教えてもらったテクニックを使うようにもなりましたね。
──連載の中で「写真を撮るようになって、自分でも知らない“好き”が見えてくる」と綴っていましたが、新たに発見することも多かった?
工藤 はい。ファインダー越しにいいと思っても現像してみたらそうでもなかったり、「私って縦の構図のほうが好きなんだな」と気づいたり……。自分の“好き”が研ぎ澄まされていく感覚はありました。
──特に気に入っている作品はどれでしょうか。
工藤 2023年3月にフィルムカメラデビューしたんですが、その直後に釧路へ旅行に行ったんです。そのときに夕日が沈む瞬間を捉えた海辺の写真が、まだ慣れないカメラにしてはよく撮れていて。
「フィルムカメラっておもしろいな」と思うきっかけになったし、ずっと気に入っている一枚ですね。
2023年12月28日「QJカメラ部」に掲載/工藤遥Photo&Essay『filming』にも収録
──今後はどんなふうに写真を楽しんでいきたいですか?
工藤 私は写真を撮ることは好きだけど、撮りたいモチーフが明確にあるわけではないんですよ。なので、テーマを決めて撮ってみたいと思っていて。
たとえば、最近、石田亜佑美ちゃんとカレー屋巡りをすることにハマっているんですけど、その1軒目で撮った写真がすごくよかったんです。カレーに詳しい石田がお店をセレクトして、私は自分にしか撮れない彼女の写真を撮る。
部活みたいで楽しいし、「自分は裏方としてモノを作ることが好きなんだな」と気づくきっかけにもなりました。撮り溜めて、いつかなんらかのかたちにしたいですね。
工藤遥Photo&Essay『filming』より
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