今をときめく女優たちは、ファッション誌の専属モデルを経験しているケースが多い。特に『ニコラ』(新潮社)は“若手女優の登竜門”と呼ばれ、蒼井優、新垣結衣、二階堂ふみ、川口春奈、清原果耶など、数多くのスターを輩出してきた。そして近年『ニコラ』に続く新たな登竜門として注目されているのが、『キラピチ』(Gakken)だ。この夏から始まったドラマ『明日はもっと、いい日になる』(フジテレビ系)で主演を務める福原遥や、『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)で主人公のライバルを演じる原菜乃華も同誌の元専属モデルである。

 『キラピチ』は、休刊中の女子中学生向けファッション誌『ピチレモン』の妹雑誌として2012年に創刊された。すみっコぐらしやちいかわなど人気キャラクターのステーショナリーや雑貨が紹介されているほか、コスメやファッション情報も盛りだくさんとあってオシャレに関心を持ち始めた女児たちに大人気だ。同誌に登場するモデルは“キラモ”と呼ばれ、年に一度のオーディションによって選ばれる。キラモになる前から年齢的に活動歴は少ないものの、すでにどこかの事務所に所属している子も多い。

 対する『ニコラ』は1997年から発行されている老舗のティーン向けファッション誌。媒体資料によると、読者は「美容、ファッションなどおしゃれ感度が高く、 かつ部活と勉強を両立する真面目な子たち」が多いそうだ(※1)。そのためか、専属モデル“ニコモ”のオーディションは勉強や部活とも両立できることを売りにしており、採用する上でも「容姿にかぎらず、料理が得意とか、勉強ができるとか、自分なりの強みを持ってる子」を重視しているという(※2)。つまりニコモは、読者がなりたい自分を目指す上でのロールモデルというわけだ。

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最近気になる女優が実は同じ雑誌の出身、ということは珍しくない。モデルとしてキャリアをスタートし、その後女優として転向するパターン…

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 新垣や川口のようにニコモに選ばれたのを機に芸能界入りを果たすケースも。また地方出身者も多く、蒼井は福岡、新垣・二階堂は沖縄、川口は長崎の五島列島、清原は大阪の出身である。そのほとんどが中学までは地元を拠点に学業と仕事を両立させ、卒業と同時に上京して本格的に芸能活動をスタートさせている。

 一方、キラモは関東圏出身者が多いこともあってか、比較的早い段階からキャリアを積み重ねている。キラモ出身女優の筆頭といえば、国民的ヒロインとなった浜辺美波だろう。浜辺は東宝シンデレラオーディションをきっかけに10歳で芸能界入り。女優業と並行しながら、2013年からおよそ1年間キラモとして活躍した。

『明日はもっと、いい日になる』©︎フジテレビ

 そんな浜辺と在籍時期が重なっているのが福原だ。福原は言わずもがな、10歳の時にNHK Eテレの子供向け料理番組『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』の“まいんちゃん”役でブレイクし、キラモになった時はすでに有名で『ピチレモン』の専属モデルも兼任していた。子役から活躍している俳優の中には成長とともに仕事が減る人もいるが、福原の場合は順調にキャリアを積んできたイメージがある。それはパブリックイメージに固執せず、幅広い役柄に果敢に挑んできたからではないだろうか。現在も『明日はもっと、いい日になる』で正義感が強く児童福祉司という王道のヒロインを好演する一方、NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では、目的のためなら手段を選ばないしたたかさを持つ花魁を妖艶に演じるなど、異なる魅力を見せている。

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