映画監督 松本准平/156
まつもと・じゅんぺい 1984年12月、長崎県時津町出身。2007年東京大学工学部建築学科卒業。10年同大学院工学系研究科建築学専攻修了。大学4年の時、お笑いの道に進もうと吉本総合芸能学院東京校に入るが挫折。友人たちとNPO法人を設立し、映画製作を始める。大学院を出た後、映像製作会社に入り、12年発表の「まだ、人間」(11年)で劇場デビュー。商業デビュー作「最後の命」(14年)は米チェルシー映画祭で最優秀脚本賞受賞。他に「パーフェクト・レボリューション」(17年)、「桜色の風が咲く」(22年)、「車軸」(23年)。
原爆投下直後の長崎を舞台にした映画「長崎─閃光の影で─」が、8月1日より全国公開される(7月25日より長崎先行上映中)。脚本、監督を務めたのは、自身も被爆3世で、カトリック信者でもある松本准平さんだ。(聞き手=りんたいこ・ライター)
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「カトリック信者である僕にとって長崎の原爆は取り組みたかったテーマ。それでも愛に生きられるのか──」
── 映画「長崎─閃光の影で─」は80年前の原爆投下直後の長崎で、被爆者救護に当たった看護学生らの姿を描いています。本作は長崎原爆投下までの24時間を描いた映画「TOMORROW 明日」(黒木和雄監督、1988年)のプロデューサーが、「今度は投下後を描いてみたい」と企画し、長崎出身の被爆3世でカトリック信者でもある松本さんに監督をオファーしたそうですね。
松本 長崎の原爆は本当に取り組みたかったテーマで、自分のアイデンティティーに関わるものでしたので、喜んで引き受けました。僕にとって、カトリック信者であることはとても大きいこと。幼少期に洗礼を受け、毎週日曜日には教会でミサにあずかり、週1回程度は要理(教義)も勉強していました。また、多くの教会がある長崎市では、道をシスタ…
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週刊エコノミスト
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