俳優の山口乃々華と脚本家の山崎彬氏が、4月3日から東京・港区の六本木トリコロールシアターで上演される音楽劇『NINETEEEEN GRRRLZ’ 99』の取材会に出席した。
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同作は、新作書下ろしの“デタラメな世紀末エンターテインメント音楽劇”。1990年代と現代が交錯する世界を、90年代のメロディーで彩りながら、舞台と客席が一体となったインタラクティブな手法で描く。山崎氏が脚本・演出を担当。山崎氏は自身の劇団『悪い芝居』の全公演で脚本・演出を務め、近年は『リコリス・リコイル』や『HUNTER×HUNTER THE STAGE』などの話題話を手掛けている。また同作の登場人物はすべて女性キャスト。12人の女性がオーディションで選ばれた。ダンス&ボーカルグループ・E-girlsを経て、『SPY ×FAMILY』『ジェイミー』などミュージカル俳優としても活躍する山口が出演する。
舞台はノスタラダムスの大予言で「世界が終わる」と言われていた1999年7月。そして、SNSなどの予言やうわさ話で「何かが起こるかも」とされている2025年7月。99年7月に「オワタセカイ」からやって来た女性と、だらだら続いてしまった“かつては羨ましがられた”はずの「ニッポンの未来」(25年)を生きる女性。並行に存在する2つの世界に登場する女性たちの交錯を、世紀末を彩った90年代のメロディーと共に描く。
舞台制作は、東京で最も長い歴史を持つ劇場・明治座が外部公演のために立ち上げた新会社・明治座プロモーションが担当。歌舞伎からミュージカルまで、150年以上続けてきた興行のノウハウを生かし、明治座を飛び出した新たな劇場空間で、今までになかった作品を届ける。
山崎氏は、「自分が作る作品は、それが例え原作があるものや、2.5次元などの作品でも、『劇場に来た意味』みたいなものを感じてもらえるようには心がけています」と語る。同作の舞台となる90年代について、「僕はちょうど(90年代に)青春時代というか、中学・高校時代を過ごしていました。音楽やテレビが学生たちの中でも影響を持っていた時代。でも(ノストラダムスの予言もあって)ちょっと終末感もあるみたいな。“どんより”はしているんだけど、でもそこまで(今ほど)悲壮感はないみたいな」と振り返り、「あの頃の空気感を今に蘇らせて、90年代のメロディーに乗せて表現できたら、というのが最初の着想でした」と語った。
90年代の思い入れのある楽曲を聞かれると、「モーニング娘。の『LOVEマシーン』ですね。いまだにカラオケでも歌います。僕は、(テレビ東京で95年から2002年まで放送されたバラエティー番組発のオーディション番組)『ASAYAN』からモーニング娘。さんを見ていました。後藤真希さんが入ってきて、バーンと世に知れた時のあのパワー。『LOVEマシーン』が発売されたのは99年の9月で、あの時に『日本の未来は世界がうらやむ』って歌っていたんですよ。あれから25、6年経って、今はどうだろうって」と、現代の状況にも思いをはせた。