しくじりイベントのIPとしては高額?
Image:Fyre Hotels
悪名高き音楽フェス「Fyre Festival(ファイア・フェスティバル)」の知的財産権(IP)がeBayで24万5300ドルで売却された。この音楽フェスは、多数のセレブやインフルエンサーが無人島で夢のような夜を過ごせると宣伝し、豪華アーティストも多数出演する予定だったものの、蓋を開けてみれば全くの無計画および準備不足状態で、客入れまで行った結果、死者が出なくて良かったと言えるレベルの大災害になってしまったイベントだ。
呪われたイベントとも言われた同フェスのIPを購入者が何に使うつもりなのかは不明だ。ちなみに24万5300ドルは、記事執筆時点のレートで日本円に換算すると約3650万円。ランボルギーニ・ウラカンが買えるぐらいの金額になる。
今回のeBay のオークションでは、売上金の一部が賠償金に充てられるとされている。だが、Fyre Fetivalを主催したFyre Media Inc.のCEOで、後に詐欺罪で有罪判決も受けたビリー・マクファーランド氏は、現在も2500万~2600万ドル(約37億~38.5億円)の負債を抱えたままだと言われている。NBC Newsは、今回のeBayの入札状況をライブ配信するイベントで、入札額が24万ドルから上昇しにくくなったのを見たマクファーランド氏が「うわ、最悪だ。安すぎるだろ」と口走る様子が流れていたと伝えた。
マクファーランド氏は当初、IPを7桁ドルほどの額で売却しようとしたが、買い手との交渉は成立しなかった。NME誌によれば、買い手候補はドキュメンタリー作家のショーン・レック氏だった模様だ。レック氏はファイア・フェスティバルの知財の一部を取得し、ストリーミングサービスを立ち上げることを計画していた。
ただ、マクファーランド氏は転んでもただでは起きない性格のようだ。今年はじめに「ファイア・フェスティバル2」の企画が棚上げになった後、同氏はいったんはこのブランドを手放す考えを表明した。だが6月になって、ファイア・フェスティバルの宿泊面のコンセプトを再現する期間限定のポップアップ・ホテル体験の企画を発表してまたもや宣伝を始めた。
この企画は現在、9月3~10日までの間に、カリブ海に浮かぶ国ホンジュラスのコーラル・ビュー・ウティラで開催される「Fyre Hotels」体験イベントとして準備が進められているようだ。このイベントが、マクファーランド氏が本来やりたかったファイア・フェスティバルを目指しているのか、現実に起こったほうを再現しようとしているのかが気になるところではある(当然、前者のはずだが)。
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