韓国伝統芸能の奥深さ ICC韓紙ワークショップ参加者レポート
教育学部 金澤哲郎
はじめに
私は今回、初めてICCのイベントに参加しました。その初めてがなぜこの韓紙ワークショップだったのか、それは単純に私が韓国の文化に興味があったからです。私はK-popが好きで、それ以外にも韓国料理をよく食べるのですが、逆に言えば、案外日常の中での韓国文化との触れ合いはその程度だったので、もっと伝統的な文化や歴史にも目を向けて学んでみたいと考えた時に、このワークショップに出会いました。
韓紙・韓国文化との触れ合い
恥ずかしながら、このワークショップを知るまで、韓紙という伝統工芸について、その名前すら知りませんでした。最初の金秀蓮先生の講演で、韓紙の歴史についてまず聞きましたが、まるで一つの朝鮮の歴史の授業を受けているのではないかと思うほど古い時代から使われていること、そしてそれが現代でもなお親しまれ続けていることに感銘を受けました。そして、先生の紹介してくださる工芸品の中には、韓国の時代劇などで見るようなものもあり、「あれも韓紙だったのか」と、同時に私自身も韓紙に対して親近感を覚えました。
続いてその韓紙の製造過程や工芸品についてもお話しいただきましたが、その製造過程の一部は日本の和紙と通ずるところがありながらも、明確な違いもあり、全く別の役割を担ってもいることから、それは、近くに位置しながらもそれぞれの独自性を持って発展をしてきた日本と韓国の関係を暗に示しているようにも感じました。
いざワークショップが始まると、先生がいとも簡単に仕上げたのと裏腹に、型に1枚の韓紙を貼り付けるだけで、のりの付け方や貼る位置、気泡が入ってしまわないようになど、気に掛けることがたくさんあり、とても難しく、先生の職人としての技術力の高さを痛感しました。しかし、真剣に韓紙と向き合い、工芸品を作る時間は、自分の心を落ち着けたり、あるいは歴史や、現代社会に思いを巡らせたりと、さまざまな思考を与えてくれ、心の安らぎにつながりました。
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韓紙の貼り付けが終了し、のりが乾くのを待つ時間には、韓国の伝統的な遊びを体験する時間があり、私が特に楽しんだのは、石を投げてキャッチする、コンギという遊びです。過去に、このゲームに挑戦するK-popアイドルの動画を見たことがあったので、それと同じ体験ができたのは嬉しかったです。単純明快なルールながら奥が深く、なかなか全て成功させるのは難しかったですが、これを通じて、他の参加者の皆さんとも交流を持つこともできました。
最後に
今回は韓紙を初めとした多くの韓国の伝統芸能に触れることができましたが、近い国で、私自身も普段から身近に感じているような気がしていましたが、まだまだ知らないことも多く、奥が深いことを実感できました。これをきっかけに、表面だけでなく、もっと深い部分まで、韓国との交流を持ち、時に立ちはだかる問題についても建設的に取り掛かるマインドを備えることができました。このような素敵なイベントを企画してくださったICCの皆さん、貴重なお話をしてくださった金先生、ありがとうございました。