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Noir Séduisant – Giorgio Armani Privé Fall/Winter 2025–26 ShowWatch on
6月のミラノ・メンズファッションウィークに引き続き、今季のオートクチュールショーも欠席し、リモートでショーを見守ったというジョルジオ・アルマーニ氏。ブランドのオートクチュール拠点である“パラッツォ アルマーニ”を舞台に、まるでモノクローム映画のような魅惑的な世界を繰り広げた。
Courtesy of Armani Privé
Victor Virgile//Getty Images
「単調とは程遠く、ブラックは無数の色合いや可能性を秘めている」――それが2025-26年秋冬オートクチュール コレクションのショーノートに記された言葉だ。実際、アルマーニ氏は昔からブラックに惹かれてきた。なぜなら、シンプルなシルエットを“タイムレスなアイコン”へと昇華させる力があると信じているから。“ノワール・セデュイサン(魅惑の黒)”と題した本コレクションで描き出すのは、ブラックが持つ究極のエレガンス。夜の静けさを思わせるその色彩にはひそやかな誘惑が宿り、ときにマスキュリンに、そしてときにフェミニンに、洗練された官能の世界に見る人を誘う。
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宵の始まりを想起させるネイビーブルーと黒のグラデーションからショーがスタート。マレーネ・ディートリッヒのような大胆なアイラインを施したミステリアスなモデルたちが、映画の銀幕を思い起こさせる。往年のファムファタールからダンディな女性像まで、挑発的でありつつ圧倒的な美しさをまとうルックがランウェイを闊歩(かっぽ)。
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わずかに配された色彩は、ネオンの明かりのような色彩でノワールの世界観をより一層引き立てる。たとえば、チャコールグレーの羽根のコートからのぞく花の刺しゅうやブルー、ピンク、グリーンのフェザーなど、細部にまで贅を尽くした演出が光る。
Pascal Le Segretain//Getty Images
Courtesy of Armani Privé
Pascal Le Segretain//Getty Images
やがてルックは漆黒の世界へ。ベルベットやツイード、メタリックシルク、チュールといったさまざまな質感が、黒がもつ無数の陰影を表現。そこにビジュー刺しゅうやモアレ模様がミステリアスな表情を添える。ラペルがネックラインに施されたローカットのイブニングドレス、再解釈されたタキシードやテイルコート、ネックレスのような蝶ネクタイやビッグリボン、宝石をまとったようなフリンジドレスといったクチュールならではのルックがゲストを圧倒する。
Pascal Le Segretain//Getty Images
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フィナーレでは、それまで映画の登場人物を演じていたモデルが一転、にこやかに拍手をしながらランウェイに登場。ジョルジオ・アルマーニ氏をたたえ、まるでその場で一緒に祝福するかのような演出に、会場全体が温かい空気に包まれた。
Pascal Le Segretain//Getty Images
黒の魅力を極限まで引き立て、繊細さと力強さといった対局の要素を美しく調和させる唯一無二のアルマーニスタイルを体現した今回のオートクチュールショー。今年、「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」は20周年、そしてブランドは50周年を迎えた。来たる9月のショーこそ、アルマーニ氏の元気な姿を見ることができるに違いない。
Courtesy of Armani Privé
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