公開日時 2025年05月25日 05:00更新日時 2025年05月26日 17:41
会見を終えて、写真撮影に応じる出演者ら=24日、那覇市の対馬丸記念館(喜瀨守昭撮影)
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與那原 采󠄀恵
対馬丸の生存者の体験を基に演出家の宮本亞門さんが企画、演出、脚本を手がけた舞台「生きているから~対馬丸ものがたり~」の制作発表が24日、那覇市若狭の対馬丸記念館で行われた。宮本さんのほか、語り部として出演する県出身俳優の国仲涼子さんや、主人公の祖母を演じる吉田妙子さん、子役らが登壇し、舞台への思いや意気込みなどを語った。
舞台は、主人公・啓子が疎開船対馬丸の撃沈を生き延び、絶望の中でも「生きて帰る」という母との約束を胸に希望をつなぐ物語。宮本さんは「今回の舞台、素晴らしい役者がたくさんいるが、主役は子どもたち。子どもたちの生きる力や夢を持つことの素晴らしさを舞台で表現させていただければ」と語った。
主人公・啓子を演じる松永梨楓さんは「戦争は絶対に忘れてはいけない歴史の一つ。皆さんの心に残るように頑張る」と元気いっぱいに意気込んだ。
吉田さんは「作品を通して、命の尊さや生きているありがたさを分かってもらいたい」と話し、国仲さんは「沖縄出身として、何かしらの表現で沖縄の方たちに伝えるものがあればとずっと思っている。子どもたちに命の大切さなどを伝えていけたらと」と思いを込めた。
舞台は8月16日、那覇市の那覇文化芸術劇場なはーとで上演される。正午と午後5時からの2回公演で、6月16日からチケットの販売を開始する。クラウドファンディングサイト「フォーグッド」で制作資金も募っている。