ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)は、2026年春夏ウィメンズ&メンズコレクションをフランス・パリで発表した。
“ヘビーデューティー”から50年
クリエーションの出発点となったのは、過酷な環境に耐えうる耐久性や強さを持つ「ヘビーデューティー」なアウトドアスタイルだ。
「ヘビーデューティー」は、ゴアテックス(GORE-TEX)が初めて商業製品として販売された1970年代にファッション用語のキーワードとなった言葉であり、アウトドアとファッションの結びつきの始まりを象徴する言葉でもある。文字通り、当時のアウトドアファッションには硬さ、重さ、頑丈さが求められていた。
過去と現在の融合、新たなアウトドアスタイルの模索
「ヘビーデューティー」が謳われた1970年代から約50年が経過した今、アウトドアファッションは素材、縫製、編み技術と様々な側面で進化を遂げ、たとえば現在では人の動きをサポートする、軽く伸縮性のある素材が重宝されるようになった。
デザイナーの相澤陽介は、「進化論」と名付けた今季のコレクションにおいて、1970年代のクラシックなスタイルを、進化した現在の技術や素材で再現する試みに取り組んだ。過去と現在を融合することで、アウトドアファッションの新たなスタイルを模索する。
たとえば、ヴィヴィッドなマドラスチェックや温かみのあるオンブレチェック、ブルーストライプといった、従来コットンなどの厚みのある生地が主流だったシャツには、軽量で速乾性や伸縮性に優れたポリエステルメッシュやガーゼを採用。カラーブロックのパーカや防水透湿性に優れたゴアテックス採用の3レイヤーアウターも、軽快な佇まいに仕立てられている。
また、タンクトップやレギンスなどのニットウェアはデジタル技術によってシームレス化され、あたりのない快適な着用感に。1970年代へのオマージュとして、裾をカットオフしたデニムパンツや、当時のバックパッカーたちのアイコンであった登山用フレームパックも象徴的にスタイリングの中に落とし込まれている。
エコーとコラボ
デンマークのシューズブランド・エコー(ECCO)とのコラボレーションアイテムにも注目だ。足にぴったりとフィットするスニーカーが登場しているほか、構築的なカットアウトデザインの「バイオム(Biom)」スポーツサンダルもラインナップ。マウンテンパーカやメッシュトップスなど、アクティブなウェアにおいてもエコーとタッグを組んでいる。