キディル(KIDILL)は、2026年春夏ウィメンズ&メンズコレクションを、フランス・パリで2025年6月24日(火)に発表した。

日本独自の「オタク」カルチャーをモチーフにキディル(KIDILL) オタク|写真1

「スピリチュアル ブルーム(SPIRITUAL BLOOM)」と題した今季のコレクションは、デザイナー・末安弘明の精神性が出発点。「オープンマインドに進化したい」という自身の気持ちや、パリでショーを行う上で「日本人の自分にしかできないようなこと」をしたい、という姿勢が色濃く反映されている。象徴的なモチーフに選んだのは、日本独自のユースカルチャーであるアニメやフィギュア、ボーカロイドなどによる電子音楽、コスプレといったいわゆる「オタク」カルチャーである。

アニメやフィギュア、ボカロ、コスプレの“想像力”に着目キディル(KIDILL) オタク|写真6

末安は、1990年代から2000年代初頭、「オタク」が今よりもマイナーな存在として見られていた時代を振り返り、「オタク」カルチャーの中に見られるイマジネーションに着目。現実の断片から創造を広げ、誇張も織り交ぜながら新たな物語を紡ぎ、非現実の世界を生み出していくその想像力と説得力の強さに刺激を受けたという。メイド喫茶で全力でなりきるメイドからはパンクの精神も感じ取ったという末安は、音楽をベースにクリエーションを行うキディルの姿勢と「オタク」カルチャーを交差させながら今回のコレクションを構築していった。

“ガッチャマン”「タツノコプロ」のパッチを配した一点物キディル(KIDILL) オタク|写真26

注目したいのは、「タツノコプロ」とコラボレーションした一点物ウェアのルック。ブラックデニムのジャケットにはカラフルな「科学忍者隊ガッチャマン」や「マッハGoGoGo」のパッチを多数貼り付け、チェーンや安全ピンといったパンクのコードと掛け合わせた。後ろになびくスカートにも、ガッチャマンのイラストがあしらわれている。

うさ耳、花柄、リボンなど幻想的なディテールキディル(KIDILL) オタク|写真10

多用されているモチーフの1つとして、「うさ耳」が挙げられる。退廃的なダメージフーディーのフードには長く垂れ下がるうさ耳があしらわれている他、手描き風の花柄ジャケットのポケットにもうさ耳を装飾。アニメタッチのキャラクタープリントTシャツや、立体的なヘルメットにもうさ耳のディテールが見て取れる。

キディル(KIDILL) オタク|写真9

また、ジャージにはリボンを並べ、襟の大きなシャツにはゴシックとコミカルをかけ合わせたようなイラストをオン。パターンメイキングによってトゲやツノを表現した立体的なフーデッドジャケットやパンツもまた、幻想的な佇まいを描き出している。

「中央町戦術工芸」とコラボキディル(KIDILL) オタク|写真15

なお、プラスチック製のハーネスやヘッドウェアなどは、「中央町戦術工芸(CTCTYO)」とのコラボレーションによるもの。テクノロジーとキャラクターデザインをベースに、アニメの世界を具現化するようなアクセサリーを手がける「中央町戦術工芸」ならではの、立体的な造形が目を引く。

キディル(KIDILL) オタク|写真11

この他、ヒヅメ(HIZUME)のハットや、バラクータ(BARACUTA)、ディッキーズ(Dickies)、キリンテーラー(KIRIN TAILORS)とコラボレーションしたアイテムが登場した。

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