佐藤勝利、松島聡の“人としてのよさ” 寺西拓人、原嘉孝の真摯な姿勢

――そこから『タイムレスマン』がスタートし、撮影が続いていく中で、佐藤勝利さん、松島聡さんについてはどのような印象を抱くようになりましたか? 『ドッキリGP』でもおふたりはたびたび出演していましたが。

蜜谷:何度か『ドッキリGP』に出演してもらってはいましたが、深い部分まではまだ知ることができていなかったんです。なので、当初は勝利くんはキレ芸が面白いとか、聡ちゃんは天然な子だとか、それくらいの印象で。でも『タイプロ』を観てから印象が変わりました。やっぱりこの人たちはたくさんの修羅場をくぐってきて、いろいろなことを考え、たくさんの経験をしてきた。その上での“今”なんだと実感しました。『ドッキリGP』を通じて風磨に対して感じていた思いに似たものを、勝利くんや聡ちゃんにも同じように感じて。「この人たちと仕事するのは幸せだな」と、あらためて思いましたね。

 聡ちゃんはひたすらに天然だなあという印象が強かったけれど、この年齢でいろいろなことを経験してきた上でも、まだあんなにも自然な姿でいられるっていうのは本当にすごいだなと思うし、根っから人がいいんだろうな、と思ったり。勝利くんは勘がいいのに、「普通はこうやるでしょ」という固定観念に染まってないところがいい。もっと怒っていい場面でもあまり怒らなかったりとか、自分が本当にいいと思ったことをやっている感じがするんです。だからこそ、彼には嘘がないと感じられる。逆に、こちらの意図を完全に汲んでその通りにやってくれると、それはそれで僕らが思った通りにしかならないんですよね。でも、勝利くんだけじゃなく、彼らはいい意味でこちらの想像をはみ出してくるので、そこがいいなあと思っています。

――今振り返ってみると、その3人の“人としてのよさ”みたいなものが『タイプロ』をあそこまで大きな存在にしたのかもしれませんね。

蜜谷:本当にそう思います。彼らはデビューして10年以上経っていて、それだけのキャリアがあると、自分自身がものすごく頑張ってる姿を見せたくないという気持ちも普通は出てくると思うんですよ。余裕でこなしているように見せたりとか。でも、新メンバーも含めて、全員がまるで“1年目”のような姿勢で頑張ってくれる。それって結構レアなことなんじゃないかなと思います。

 特に風磨、勝利くん、聡ちゃんの3人は、年齢こそ若いけれどデビューも早かったし、ジュニア時代を含めれば芸歴もすごく長いわけで、なんならスタッフ陣よりも歴が長かったりすることもある。それでも、「一からやる」ってみんな決めてるんだと思います。本気で汗をかこうとしてくれているし、普段から「とにかく頑張ります!」みたいな気合いが滲み出ていますね。

――新たに3人の持つ熱さを初めて知った方も多いかもしれませんね。一方で、『タイムレスマン』をきっかけに、新しく加入したメンバーのイメージが変わった人も多いのではないでしょうか。特に寺西拓人さん、原嘉孝さんの2人は『タイプロ』中は“何でもできる人”というイメージがあった気がするんですが。

蜜谷:そうですね。特に寺西くんは『タイプロ』で“完璧”というイメージがついている節もあったので、最初に「僕は全然完璧じゃないので、そういうところを(『タイムレスマン』で)出せたら嬉しい」と話していましたね。あの2人は、自分のかっこ悪い部分も隠さず、すごく自然体でありのままを見せてくれる印象です。初めて会った時から「バラエティを勉強したいです!」というスタンスだったので、僕の目にはこれから頑張っていこうとしている“キラキラ光る原石”みたいな感じに見えました。

 寺西くんも原くんも芸歴は長いけれど、アイドルとしてはまだまだ新人で、一から頑張ろうという気概があります。もちろん、8人全員にそれは感じますし、制作者としては幸せですね。「次はこんなことをやるよ」って伝えた時に、「そんなことをやるんですか」とか「収録長いなあ」っていう空気は本当に1ミリもないんですよ。みんなが全力で向かってきてくれる。8人全員が本気だからこそ面白さが滲み出ますね。

――4月27日放送の「timeleszムキムキプロジェクト」では、そういった思いが伝播していく雰囲気がありましたね。

『タイムレスマン』4月27日放送回

蜜谷:腹筋企画は、もともと実際に経営されている「TIMELESS FITNESS」というジムに“タイムレスの後輩”として挨拶に行く、というだけの企画だったんです。でも、せっかくだから何かやろうか、という話になりまして、腕立て伏せや腹筋運動をして、限界になったらプルプルして……という流れが面白いだろうと。そして最終的に、みんなで連続して腹筋運動をして、合計450回を目指すという流れを組みました。

 でも、みんながなかなか続かない中、最後に風磨が全部やり遂げたんですよね。気づいたらディレクターが泣いちゃったりして(笑)。『タイプロ』もそうだったと思うんですけど、みんなの熱や覚悟にグッとくるものがあって、それが人を動かすことに繋がるんだなって。その熱が変わらずメンバーみんなの中にあって、ちょっとした企画でも彼らが本気で挑むからこそ何か起きるんです。

 6月1日の放送では、ペットボトルを投げて回して立たせる「立道」(たてどう)という新競技に挑戦したんですけど、橋本(将生)くんが「風磨くんに勝ちたい」と言い出して、それに対して風磨が「お前が俺に勝てるもんなんて何ひとつねえからな」と煽って、それがすごく面白かった。もともと「立道」は「FODプレミアム限定コンテンツ」として収録したもので、本来地上波で放送する予定はなかったんですけど、すごく面白くなったので本編としてオンエアすることになりました。僕らが想像していた企画が彼らの本気によって全然違う形になって返ってくるのは、本当に嬉しいことですね。

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