公開日時 2025年06月22日 05:00


現在の工工四と、「原譜」をもとにした工工四を実際の演奏を交えながら比較する國吉清●昂さん=5月24日、西原町立図書館

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琉球新報朝刊

 【西原】琉球古典音楽の研究家、國吉清〓さん(78)の講演会「琉球古典音楽を語る~二揚五節を謡う~」が5月24日、西原町立図書館で行われた。
 音楽教師として長年務めてきた経歴を持ち、琉球古典音楽の研究も30年を超えた國吉さん。講演では、独自でたどりついた工工四譜の新しい解釈について、実演奏とともに説明した。
 「述懐節」では、曲の途中で「テンポプリモ(もとの速さにもどす)」を意識する必要がある箇所があるという。「愛しい人が無事に着くことを思う“心配”や“不安”の気持ちを表している。ずっと楽譜に違和感のあったこの箇所がこれでうまくつながるようになった」と説いた。
 國吉さんはこれまでに、「聲楽譜附 屋嘉比朝寄工工四」と「聲楽譜附 俗風工工四」を出版しており、今から200年以上前にさかのぼる原譜を14年かけて研究し、再現譜をとりまとめている。
 三線の奏法や発声方法、節回し、そして正しい楽譜の理解など、学ぶ姿勢を忘れずに精進していくことが、琉球古典音楽の継承に欠かせないことだと会を締めくくった。(島袋恵子通信員)

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