GENERATIONSのメンバーが、各自プロデュースした楽曲を6カ月連続でリリースしていくプロジェクト『PRODUCE 6IX COLORS』。本企画の第4弾として小森隼プロデュースによる「MY GENERATION」が、5月5日にリリースされた。作詞作曲は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文が手掛けている。2人が決めたテーマは“踊れる邦ロック”。これまでダンスに打ち込んできた小森流のロックサウンドに仕上がっている。メンバー一人ひとりがプロデュースを担当するこの企画で小森が考える“GENERATIONS”らしさから、30歳を迎えた今の心境についてまで話を聞いた。(編集部)

10代でのアジカンとの出会い「彼らからもらった勇気を胸にずっと頑張り続けてきた」

――『PRODUCE 6IX COLORS』の手ごたえはいかがですか?

小森隼(以下、小森):この企画じゃないと、GENERATIONSとして表現できなかったことばかりだと感じています。楽曲の方向性も、制作方法も、関わってくれる方々も、プロデュースするメンバーによって全然違うので、改めてGENERATIONSというグループを再構築しているような感覚です。もちろん世の中に認知してもらえることや数字も大切だけど、それ以上に、GENERATIONSを元々知ってくれている人に対しても新しいプロモーションができたということに手ごたえを感じています。

――小森さんの前にリリースされた、中務裕太さん、片寄涼太さん、白濱亜嵐さんのプロデュース楽曲が全てラブソングだったのは少し驚きました。

小森:僕らもびっくりしましたよ(笑)。でも面白いですよね。誰かを思う気持ちとか恋とか愛をテーマにしたラブソングではあるけど、プロデュースするメンバーによって楽曲の方向性や伝えたいメッセージが全然違いますからね。

GENERATIONS / MY GENERATION (Lyric Video) prod. by Hayato Komori

――そんな中、第4弾の小森さんプロデュースの「MY GENERATION」は……。

小森:全然ラブソングじゃないです! 愛については何も語れてないですね。なんならサビの歌いだしは〈ハートブレイク〉ですから(笑)。作詞作曲は、ASIAN KUNG-FU GENERATION(以下、アジカン)のゴッチさん(後藤正文)にお願いして、自分自身の伝えたかったテーマを歌詞や音楽にしてもらいました。

――後藤さんには、どんなリクエストをしましたか?

小森:一生懸命生きているけど上手くいかない、自分自身が何者なのかわからないと悩んでいる人たちの背中を押す楽曲を作りたいと伝えました。僕は10代の分岐点でアジカンに出会って、彼らからもらった勇気を胸にずっと活動を頑張り続けて、GENERATIONSになって、そして今回一緒に曲を作れるという機会に恵まれました。つまり僕がこの曲を作るということが頑張り続けた結果でもあると思うんです。ゴッチさんも歌詞を書いていく中で僕のことをイメージしてくれていたから、〈荒波が僕らの距離を隔てても/きっと また巡り会える〉といったフレーズが入っているんじゃないかな。悩んだ日々や暗い気持ちも、絶対にいつか報われる日が来る。この曲を通して、そんなメッセージが伝わればいいなと思っています。

――普段からそういった悩みを聞く機会が多いのでしょうか。

小森:僕はもう6年くらい『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)というラジオ番組を平日生放送でやっていて、毎日10代と喋っていますからね。一緒に悩んだり挫けたりしながら過ごしてきた感覚はあります。その経験が、今回のテーマに繋がったという部分もあるかもしれないですね。20代後半から、自分のキャリアの中でも大事な核の部分を誰かの悩みと一緒に歩んできたので、自分が楽曲をプロデュースするならエネルギーを届けられる曲を作りたいという気持ちは、プロジェクトが決まったときからずっとありました。

――小森さんは元々アジカンのリスナーだったということですが、ミュージシャンとして関わり始めたきっかけは何だったのでしょうか。

小森:それも『SCHOOL OF LOCK!』ですね。もともと番組内でアジカンがコーナーを持っていた時期もあったし、僕がラジオのパーソナリティになってから「アジカンが好き」って言いまくってたら本人に届いて、ラジオに来てくれたこともありました。そこからフェスや他の番組で一緒になったり、僕がライブを観に行ったりしてずっと繋がっていて、だからこそ今回のオファーを受けてもらえたんだと思います。「小森くんのお願いであれば引き受けます」と言ってくださったので。

ゴッチと決めたテーマは“踊れる邦ロック” 他ジャンルにアプローチできる強み

――ずっとダンスに打ち込んできた小森さんが、ロックバンドに楽曲を依頼するという点も新しいと感じました。

小森:LDHの中でのGENERATIONSの強みって、他ジャンルの方にもアプローチできている点だと思うんですよ。ロックフェスにも毎年出演させてもらっていますし、メンバーのアイデンティティが強いのでみんな個人で色々な活動をしてるじゃないですか。だからなんとなくロックシーンに僕たちが受け入れてもらえているという感覚があるんです。実際フェスで観たのをきっかけにGENERATIONSのライブに来てくれている人もいますからね。だから「GENERATIONSってあのグループか!」って思ってもらいたいという狙いもあって、ロックシーンのど真ん中にいるゴッチさんにお願いしたかったんです。

――なるほど。一方で、間奏ではバチバチに踊るのかなという期待もあります。

小森:ゴッチさんと打ち合わせして決めたテーマは、“踊れる邦ロック”です。ゴッチさんも「ロックサウンドとダンスミュージックを融合させて、そのちょうど良いところを取れるよう実験的にチャレンジしたい」と言ってくれました。この曲、ドラムとベースは打ち込みでギターは生で録っていたりして、ガチャポップって感じですごく面白いんですよ。もちろんパフォーマンスもしっかりやるつもりです。ダンス&ボーカルグループとしてしっかり踊れるけど、歌詞はロックミュージックっぽい感じで届きやすい。本当にちょうどいい間をとれたんじゃないかなと思います。

――ボーカルの片寄涼太さんと数原龍友さんも踊るんでしょうか?

小森:構成には入ってもらいますが、全部がっつり踊る感じではないですね。そこも他ジャンルの人から見て共感性が高いのかなと思います。ボーイズグループって、全員が歌って踊るのが主流じゃないですか。でもうちは歌う人と踊る人が分かれているのが強みですし、歌いながら身体でリズムをとる形なら、今までダンスミュージックやボーイズグループを通ってない人も、「こういうノリがあるんだな」って思ってくれるんじゃないかなと思っています。

――ボーカルレコーディングも小森さんがディレクションされたんですか?

小森:全くしてないですね。歌うパート分けもボーカル2人が決めました。10年以上一緒に歌っていて彼らの塩梅があるだろうから、そこは2人の経験値と手腕に任せようと。レコーディングに立ち会いはさせてもらったんですけど、結構悩んでましたね。ゴッチさんの声は中域が強いから、龍友くんとか「このニュアンス難しいな」って苦戦してて、あぁこうやって悩むんだなって新鮮でした。

――実際に仕上がった歌を聴いてどうでしたか?

小森:感動しました! ずっとゴッチさんの仮歌で聴いていたんですが、一気にGENERATIONSの曲になった感じがしましたね。2人の華やかな声が入って初めて僕たちの曲として完成した気がしました。もちろんゴッチさんのデモもめちゃくちゃ良かったんですけど、やっぱり僕たちの曲には2人の声が正解なんだなと思いましたね。

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