連続テレビ小説「あんぱん」第58話。柳井嵩(北村匠海)はヤン・チュアンユン(天野眞由美)から「あなたも食べなさい」――(C)NHK
Photo By 提供写真

 女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は18日、第58話が放送され、柳井嵩(北村匠海)たちの凄絶な“空腹との闘い”が描かれた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦を描く。

 第58話は、駐屯地への補給路が絶たれる。柳井嵩(北村匠海)が乾パンを食べながら思い出したのは「朝田パン」。しかし、その朝田パンも材料がなくなり、休業。若松のぶ(今田美桜)は勤労奉仕となった生徒たちとともに農家を手伝う日々。そして、駐屯地はついに食料が底をつく。正気をなくした“コン太”こと今野康太(櫻井健人)が民家に向かって駆け出し、中にいた老婆に小銃を向ける。嵩は必死で止めるが…という展開。

 朝田釜次(吉田鋼太郎)の仕事は日に日に増え、“銃後の女性”朝田羽多子(江口のりこ)や朝田メイコ(原菜乃華)は防空壕を掘る。国防婦人会会長・餅田民江(池津祥子)はメイコにハッパをかけ、腰を痛めた。

 重点警備。康太はダンゴムシも食べようとした。そして、民家に押し入ると、老婆ヤン・チュアンユン(天野眞由美)は「さっき、あんたたちみたいのが来て、全部食べてったよ」。康太は銃を向け「食い物をよこせ!」と脅した。

 嵩「おまえ、自分が何してるのか、分かってるのか。分かってんのか!」

 康太「わしらは、どうせもうすぐ死ぬがじゃ。せめて最後は、腹いっぱい食うてから死にたい」

 ヤンが持ってきたのは、産みたての卵6個。神野万蔵(奥野瑛太)と康太は、ゆで卵にかぶりつく。嵩も老婆から手渡され「シェイシェイ…」「美味しい…」。ヤンは「空腹は人を変えてしまう」と慈悲の眼差し――。

 帰り道、康太は「あの婆さん、うちのお母に、どことのう似ちょった」とつぶやいた。

 SNS上には「え?殻ごと?」「殻ごと…驚愕」「殻ごと貪り食うほどの飢え」「お婆さんに何度もお礼を言って殻ごと卵にかぶりつく嵩の姿に涙が出た」「あの神野班長でさえ理性がブッ飛ぶくらいの極限状態なのだと」「朝ドラとは思えない戦争のリアル(と役者根性)」「お婆さんが慈愛の表情に」「この老婆こそがアンパンマンの始まりだったのかな?」などの声が続出。壮絶な描写が反響を呼んだ。

続きを表示

Leave A Reply
Exit mobile version