朝日小学生新聞 清田哲
関西編
2025年度の関西の中学入試で、国語で出題された本を紹介します。難しい本もありますが、時間のある夏休みなどにチャレンジしてください。紹介するのは浜学園で国語を担当する池田貴大先生です。(編集委員・清田哲)
浜学園・池田貴大先生 本人提供
物語文・論説文
物語文は森絵都さんや重松清さんなど/日ごろから社会に目を
関西の私立中学校の国語で取り上げられる作品について、池田先生は「半分ぐらいは、ここ2年ぐらいに出版された本から出題されています。少し間をあけて、出版から5年以上たった本もよく取り上げられます」と分析します。
物語文では、なやみをかかえた子どもたちが登場する本や、森絵都さんや重松清さんなどの本が、過去の作品もふくめて幅広く出題されています。ほかにも、意外な結末やおもしろいアイデアなどが盛りこまれた短い「ショートショート」など、出典が多様化しています。
あるテーマについて、筆者の考えや主張などをまとめたのが論説文です。哲学や心理学、社会学など、学校では習わない難しいテーマが題材になることもあります。
題材の文章を受けて、自分自身の考えが問われたり、社会との関わりを考えさせたりする問題が出ることもあります。
「新聞やニュース番組などを通して、日ごろから社会に目を向けておくことも大事です」と池田先生はアドバイスします。
物語文
『リカバリー・カバヒコ』
(青山美智子・著/光文社)
公園にある古びたカバの遊具「カバヒコ」には、さまざまななやみをかかえた人たちがやってきます。なおしたい部分と同じ所をさわると、回復するという都市伝説があります。
明星中(大阪)、啓明学院中(兵庫)など
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『透明なルール』
(佐藤いつ子・著/KADOKAWA)
周りを気にするあまり、生きづらさも感じる主人公の中学生。見えない「同調圧力」について、登場人物たちがなやみ、乗りこえていく話です。
関西大学第一中(大阪)、同志社女子中(京都)など
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『成瀬は信じた道をいく』
(宮島未奈・著/新潮社)
2024年の本屋大賞『成瀬は天下を取りにいく』の続編。わが道を行く女子生徒の成瀬あかり。高校3年生から大学1年までの生活をえがきます。
金蘭千里中、同志社香里中(どちらも大阪)など
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『おくることば』
(重松清・著/新潮社)
中学校の入学式までの忘れられない日々をえがいた書下ろし「反抗期」など、六つの作品が収められています。重松さんの作品は『また次の春へ』『かぞえきれない星の、その次の星』などの作品も出題されています。
同志社女子中(京都)など
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