主演の吉沢亮(上)と板垣李光人 (C)2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会(C)奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022
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 【映画コラム・CINEMA INFINITY】「ババンババンバンバンパイア」(7月4日公開) 

 450歳のバンパイア森蘭丸(吉沢亮)は、街をさまよっていたところを銭湯の息子・李仁(板垣李光人)に助けられ、そのまま住み込みで働くようになる。

 時は流れ、15歳になった李仁はクラスメートの葵(原菜乃華)に恋心を抱くようになる。それは蘭丸にとって、とんでもない大問題だった。バンパイヤ蘭丸の一番の望みは、18歳の童貞の血を吸うことなのだ。そのため今まで李仁の成長と純潔をそばでずっと見守ってきたのに、恋愛をされては李仁の童貞喪失の大ピンチ。なんとしても葵との仲を引き離さないといけないと、いろいろ作戦を仕掛ける。

 ところが、バンパイアオタクの葵が蘭丸に恋したり、バンパイアハンターが現れたりで大混乱。最後には因縁の相手である兄の長可(眞栄田郷敦)との大バトルシーンも用意されている。 江戸時代と現在が交錯して話は進んでいきます。なので、時代劇でもあり、ラブコメでもあり、アクションでもある作品です。

 何よりも吸血鬼が童貞喪失の阻止に死に物狂いになるという設定が秀逸。原作は奥嶋ひろまさ氏の大ヒットコミック。それを浜崎慎治監督が上手く生かしています。さまざまな楽しみ方ができる作品ですが、その高低差ありすぎの展開が魅力。主題歌はもちろん、ドリフターズで有名な昭和の名曲「いい湯だな」をアレンジカバーした楽曲。それはそれでテンションが上がりますが、その以上に、ドラマの終盤に静かに流れている音楽が昭和30年代の松竹映画を思わせて、思わずニヤッとしてしまいます。

 劇中に「推しが出来ると人生が楽しくなる」というセリフが出てきます。至極名言。エンタメ感満載のこの作品にピッタリです。

 大阪ステーションシティシネマなどで7月4日公開。(樋口 徹)

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