2025年現在、小学校一年生のご長男をはじめ3人のお子さんを子育て中の女優・菊川怜さん。公立小学校から中学受験を経験し、難関私立中高一貫校、東京大学に進学した菊川さんの、勉強への向き合い方とは。
「勉強することが好きだった」と楽しそうに語る菊川さんの、算数を好きになった小学校時代のご経験や、「遊び」と「学び」を分けない幼少期の過ごし方、ご自身の子育てについて伺いました。
外遊び好きのやんちゃな子。塾に通い始めたのは小4から
――菊川さんご自身は、公立小学校に通われていたそうですが、どんなお子さんだったのでしょうか。小さな頃からたくさん勉強をされていたのでしょうか?
私は、朝から晩まで自然の中で駆け回って遊んでいるような、外遊び好きのやんちゃな子でした。おうちの中で遊ぶよりも、外で活発に動き回っていることが多かったように思います。
小学校低学年の時は、毎月家に通信教育の教材が届いて、母親と一緒に少しずつ取り組んでいました。小学校3年生になる時に引っ越しをして自分の部屋ができて、高学年でようやく中学受験が視野に入ってきました。塾に通い始めたのは4年生になってからで、周りよりは少し遅いスタートだったように思います。
私、幼少期に両親から「勉強しなさい」と厳しく言われた記憶がないんです。でも、リビングの大きなテーブルで、家族みんながいるなかで宿題をしたり、ドリルを解いたりするのが好きな時間だったなということは覚えています。
「遊び」と「学び」をはっきり分けずにアプローチしてくれた
――子どもの頃に、勉強が好きになるきっかけがあったのでしょうか。
両親、特に母親は、「遊び」と「学び(勉強)」をはっきり分けず、いろいろな角度から私の興味を拾って、アプローチしてくれていたんだな、と感じますね。そして、その匙加減ってとっても難しいことだったんだなと、子どもを産んで改めて感じます。
私自身が勉強を楽しいと感じた原体験は、小学校低学年の時の算数の授業。今振り返ると斬新な教え方だなと思うのですが、その先生は、問題を出したら「まず自由に、自分で解いてみてごらん」という感じだったんですね。
最初に公式や解法を教えてくれるというよりも、自分の頭で考えさせる授業だった。見開きのノートの端っこに問題を書いたら、真っ白なスペースに自分なりの考えや道筋を自由に描いてよかったんです。ひとつの答えに辿り着くまでのその過程の作業がとても楽しくて、印象的だったのを覚えています。
その先生の授業が「自分で自由に考えることの楽しさ」や、「答えを見つけた時の喜び」を知ることができた初めての体験。私が算数を好きになったはじめのきっかけです。
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しんどいなと思う時間もたくさんあった