現在放送中の朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)に登場する朝田三姉妹。長女ののぶ(今田美桜)がドキンちゃん、次女の蘭子(河合優実)はロールパンナちゃん、三女のメイコ(原菜乃華)はメロンパンナちゃんをイメージしている––––––? そんな“アンパンマン的キャラ設定”が話題になっています。
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そこで今回は、やなせたかしさん作の『それいけ!アンパンマン』に登場する3人のキャラクターをもとに、それぞれの人物像を読み解きながら、三姉妹の今後の展開を考察していきたいと思います。
“ドキンちゃん”のぶの恋愛タイプは、長女っぽい?
まず注目したいのは、本作のヒロインでもある朝田三姉妹の長女・のぶ。彼女は、ドキンちゃんをモデルにしていると言われています。というのも、ドキンちゃんは実際に、やなせたかしさんが妻の暢さんをモデルにして生み出したキャラクター。だからこそ、『あんぱん』のヒロインオーディションでも、“ドキンちゃんのような女性”が求められていたのだとか。脚本家の中園ミホさんも、「好奇心に輝く大きな目のドキンちゃんは、美桜さんにそっくりです」と語っていましたが、たしかに今田美桜さんってビジュアルもちょっぴり小悪魔っぽいところも、ドキンちゃんに似ていますよね。
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『それいけ!アンパンマン』の公式サイトによると、ドキンちゃんは「自分のことを世界でいちばん可愛いと思っている。わがままでいつもバイキンマンを困らせているが、優しいところもある」と紹介されています。のぶが、“自分のことを世界でいちばん可愛い”と思っているかどうかはさておき(笑)。自分の気持ちに正直で、時に周囲を振り回す突っ走り系なところは、まさにドキンちゃんですよね。でもその裏には、責任感の強さや、本当は甘えたいのに甘えられない葛藤……。妹たちの前では、しっかりしていたい! という長女らしい一面が見受けられます。
また、いつもドキンちゃんのそばにいて、苦楽をともにしているのはバイキンマンなのに、恋する相手は食パンマンというのがまた……。「なんで、そっち〜!?」というところに行きがちなのも、長女あるある。幼い頃から、「お姉ちゃんなんだからしっかりしてね」と言われ続けてきた長女って、“安心できる存在”よりも、“自分をドキドキさせてくれる人”に振り回される傾向があるのかもしれません。
『それいけ!アンパンマン』では、ドキンちゃんは食パンマンにまったく相手にされていないんですよね(やなせたかしさんも、「食パンマンは食品で、ドキンちゃんはバイ菌なので結ばれることはないが、叶わない恋をすることだってある」とおっしゃっていました)。
ただ、本作のなかでの食パンマンは、のぶと結婚することになった一等機関士の次郎(中島歩)……? そう考えると、バイキンマンはのぶの幼なじみの嵩(北村匠海)になりそう。正直、嵩にバイキンマンのエッセンスを感じる部分はないけれど、ドキンちゃん(=のぶ)のことが大好きなところは一致していますよね。いちばん近くにいるのに、上手くアピールできない感じとか!
ちなみに、史実でも暢さんはやなせたかしさんと結婚する前に、日本郵船の一等機関士として働いていた男性と結婚しています。しかし、その彼は終戦直後に病気で亡くなってしまったそうです。そこから、やなせたかしさんと再婚するまでにかかった期間は、8年。ということは、ここから8年間も2人はすれ違い続けることになるのか……?
今年3月に放送された『あんぱん スペシャルトークショー』(NHK総合)で、阿部サダヲさんが「(のぶと嵩は)なかなか結婚しない」と話していたので、ヤキモチする時間は想像以上に長くなりそう。ただ、初回の時点で“のぶ×嵩エンド”は明らかにされているので、ここは気長に見守りたいところです。
“ロールパンナちゃん”に宿る二面性 次女・蘭子の葛藤