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第78回カンヌ国際映画祭で、初監督作品『The Chronology of Water(原題)』をお披露目したクリステン・スチュワート。「ある視点」部門に正式出品された同作は、作家のリディア・ユクナヴィッチによる回顧録をもとに父親から性的虐待を受けた女性が、セックスやドラッグといった自己逃避を経て、トラウマを昇華させていく姿を描く。9歳で俳優として活動を始め、幼い頃から映画監督になりたいと望んでいたクリステンは、回顧録の最初の40ページを読んで、すぐに著者に連絡を取ったそうだ。
『The Hollywood Reporter』の取材で、歴史ある映画祭で監督デビュー作を発表することを「信じられない」と話す彼女だが、その真意をこう明かす。「これ以上に雄弁な言葉はないと思う。やっと映画をまとめ上げたところです。まだ完成すらしていません。帰ってからあと2週間は、カラーや音の調整をしなくてはいけません。今回お披露目するのは、初回のドラフト版なんです」
ぎりぎりのところでカンヌに出品が決まり、選ばれたときは頭が真っ白になったそうだ。「謙虚なフリをするつもりはないけれど、私たちは限界まできていました。『私達ならできる』なんて言っていたけれど、完全なる無になっていました」
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