カンヌ国際映画祭、パルムドール、ジャファール・パナヒ監督Jafar Panahi accepts the Palme d'Or for Un simple accident onstage during the closing...

Photo: Stephane Cardinale – Corbis/Getty Images

イラン人監督のジャファール・パナヒが、自らの獄中体験からインスピレーションを得た映画『Un Simple Accident(原題)』が第78回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた。2010年に反体制プロバガンダの罪で逮捕・有罪判決を受け、映画制作を禁じられているパナヒ監督が手がけた本作は、政治犯として服役中に自分たちを拷問したと思しき看守を見つけた5人の人物を追う物語。不条理なユーモアと怒りを交錯させて描き、アッバス・キアロスタミ監督の『桜桃の味』(1997)に続いてイラン映画としてパルムドールに輝いた。

次点のグランプリには、ノルウェー人監督ヨアキム・トリアーが父娘の和解の道を描いた『Sentimental Value(英題)』。映画監督が疎遠になった娘たちと和解すべく、俳優として活動する娘の一人に監督復帰作への出演をオファーするが、断られる。代わりにアメリカ人俳優を起用したことで、ますます複雑になっていく父娘間の関係を描くファミリードラマだ。

女優賞は『La Petite Dernière(原題)』のナディア・メリッティ、男優賞は『O Secreto Agente(原題)』のヴァグネル・モウラ、監督賞はクレベール・メンドンサ・フィリオが受賞。審査員賞は、オリバー・ラクセ監督の『Sirat(原題)』とマーシャ・シリンスキー監督の『Sound of Falling(原題)』に渡った。

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