大谷翔平を起用するCMのやりたい放題、有名人による「過剰ブランディング」が行きつく先

大谷選手を起用した日本のCMの「誇張」「過剰」ぶりは、行き過ぎていないか Photo:JIJI

さすがに過剰ではないか?

大谷選手を起用したCMに覚える違和感

 米大リーグ・大谷翔平選手の毎日の大活躍、そしてそのための超人的な努力と奢らない人柄に、私は日本人の一人として、感謝と敬意の気持ちを日々抱いています。ただ、心配なことが一つあるので、今回はあえて一筆啓上させてもらおうと思います。

 それは、大谷選手が出演して注目を浴びている、数々のCMについてです。大谷選手が登場することによる宣伝効果は計り知れないものがあるため、企業は彼のブランドを前面に押し出すPRを行っていますが、中にはちょっと「誇大」「過剰」ではないかと思えるケースが散見されます。

 私は、悪名高い「文春砲」の当事者だった人間ですが、大谷選手にその矛先を向けるつもりはカケラもありません。大谷選手の場合、本人の人望だけでなく、その活躍を支えるスタッフや企業も多大な努力をしているであろうことに、敬意を感じるからです。

 たとえば大谷選手は、全国の小学校にグローブを寄付しました。これは、大谷選手個人がおカネを出せば配布できるという規模のイベントではありません。大谷選手にCM出演を依頼し、資金面から彼をサポートしている企業や、スタッフの工夫、苦労は大変だったと推察します。だからこそ私は、企業関係者に対して、大谷選手の立場をもっと大切に考え、「誇大」なPRについて考え直してほしいと願っています。

 一つ例を挙げるとすれば、興和株式会社が大谷選手と共同開発したというスポーツ向け飲料「シンクロンコーワ」(アクティブモード、クールモード)のCMです。

 普通、ビジネス用語でいう「共同開発」とは、異なった会社がその会社独自の特許を使って新規の商品を開発するといった、大規模で専門的な取り組みを意味します。共同開発の成功例と言えば、最近では日本航空の機内食におけるベジタリアンメニューの提供が挙げられます。

 この共同開発には、日本航空の機内食開発部門とベジタリアンフードの開発ノウハウを持つ「株式会社みんなのごはん」が関わり、長期間の研究を経て実際に運用を開始、 世界の旅行客から高評価を得ています。

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