第七十回「届く声 届ける声~れろの会の朗読~」
届く声、届ける声。こんにちは、栗原け子 です。この番組は農型市の朗読グループ レドの会の声をお届けします 。さあ、今回も夢中の始まりです 。もう今回お送りする第9になりました。 夢十の10編の作品は一見どレもを独立し ているように思われますが、いくつかの 作品では部分的な大避構造や類似性を 見せることができます。内容としては結構 深いんですけれども語り手の立ち位置と いうのから少し見てみましょうか 。夢中や第1夜から第8の語りでそれは 自分です。いずれも自分が夢の中で体験し たことや見たものを夢の話として綴る構想 しています。ところが今回お送りする第9 ではこの語り手の位置が大きく変化し文 つまり伝え聞いたという形で話が進展して いくんです 。明らかに夢中や後半第2話、つまり今回 と次回9や10話ではかなり立ち位置が 違っているのが分かると思います 。九夜も女が子供の視点と思いきや過去の 話を聞く語り手の視点で綴られたり、 語り手自身がま、女や子供の形として変化 しているわけで、なかなか掴みにくいかも しれません。 で、この話なんですけれども、もしかし たら創石の幼い頃の体験とオーバーして いるところもあるかもしれません。創籍は 5、3女の兄弟の末っことして生まれ、 四谷やのフル小屋にさに出されたと言われ ています。その時の経験、ちょっと 寂しかったことなどが今回お送りする第9 話の子供の感じとして出ているのかもしれ ません。 ではお楽しみいただきましょう。今回は いよいよ第9夜です 。 夢中や夏目 創籍第9 や世の中がなんとなくざつき始めた 。今にも戦が起こりそうに見える。 焼け出された裸馬が夜昼となく屋敷の周り を荒れ回る とそれを夜昼となく足軽どもがしめき ながら追っかけているような心持ちがする 。それでいて家のうちは真として静かで ある 。家には若い母と3つになる子供がいる 。父はどこかへ行った 。父がどこかへ行ったのは月の出ていない 夜中であった 。の上でわ地を履いて黒い図巾をかぶって 勝っ手口から出ていった 。その時母の持っていたボンボりの日が 暗い闇に細長くさし て池垣の手前にある古い火の木を照らした 。父はそれきり帰ってこなかった 。母は毎日3つになる子供 にお父様はと聞いている。子供は何とも 言わなかった 。しばらくしてからあっちと答えるように なった 。母がいつお帰りと聞いてもやはりあっち と答えて笑っていた 。その時は母も笑った。 そして今にお帰りという言葉を何べとなく 繰り返して教えた けれども子供は今にだけを覚えたのみで ある 。時々はお父様はどこと聞かれて今にと 答えることもあった 。夜になって 辺りが静まると母は帯を占め直して サメザ屋の短編帯の間に刺して子供を細帯 で背中へしょってそっとくぐりから出て いく 。母はいつでも雑りを履いていた 。子供はこの雑りの音を聞きながら母の 背中で寝てしまうこともあった。 土辺の続いている屋敷を西へ下っ てだらダラ坂を折り尽くすと大きな胃腸が ある 。この胃腸を目印に右に切れる と一丁奥に石の鳥がある。 北側は田んぼで片側は熊の中を鳥井まで来 てそれをくぐり抜けると暗い杉の小立ちに なる 。それから20件ばかり式伝体に 突き当たると古い肺電の階段の下に出る 。ネズミ色に洗い出された賽銭箱の上に 大きな鈴の紐がぶら下がっ て昼間見るとその鈴のそばに8万という額 がかかっている 。八の字が鳩には出迎い合った初体にでき ているのが面白い 。他にも色々の額がある。 は中のもののいた近鉄をいたものの名前に 添えたのが多い 。玉には立ちを納めたのもある。鳥を くぐると杉の小でいつでもふが泣いている 。そうして冷や飯しりの音がピチピチする 。それが肺電の前で止むと母はまず鈴を 鳴らしておいてすぐにしゃがんで柏を打つ 。大抵はこの時ふが急に泣かなくなる 。それから母は一心不乱に夫の無事を祈る 。 母の考えでは夫が侍であるから弓矢の神の 8枚へこうやって是非ない癌をかけたら 世もや聞かれぬ通りはなかろうと一に 思い詰めている 。子供はよくこの鈴で目を覚まして辺りを 見ると真っ暗だものだから急に背中で 泣き出すことがある。 その時母は口の中で何か祈りながら背を 振って怪そうとする。するとうまく 泣き止むこともある 。ますます激しく泣き立てることもある 。いずれにしても母は容易に立たない。 一通り夫の身の上を祈ってしまうと、今度 は舗装を解いて背中の子をずり下ろすよう に背中から前へ回して両手に抱きながら 階段を登っていっ て良い子だから少しの間待っておいでよと きっと自分の頬を子供の保護へすり付 そうして細火を長くして子供を縛っておい てその片端を肺電のラカに括くりつける 。それからだんだんを降りてきて20件の 敷石を行ったり来たりお道を 踏む配電にくり付けられた子は暗闇の中で 細帯の竹の許す限り広炎の上を張い回って いる。そういう時は母にとって花肌楽な夜 である。 も縛った子にヒーヒー鳴かれると母は 気がきでない 。おの足が非常に早くなる。大変息が 切れる 。仕方のない時は中途で肺電上がってきて 色々すかしておいてまたお踏み直すことも ある 。こういう風に行番と なく母が気を揉んで世の目も寝ずに心配し ていた父 は特の昔 に老師のために殺されていたのである 。こんな悲しい話を夢の中で母から聞いた 。夢中第9いかがでしたでしょうか?前半 の朗読は石松和さん、後半は高橋自勢さん でした 。一体創石は何を言いたいのだろうかと 考えた方もいらっしゃるかもしれませんが 、最後のやはり結末がグっときますよね。 ああ、そうか。戦争だったのか。でも じゃあこの戦争って ちょうどん、現代の戦争あるいはもっと昔 の戦争、またそれも考えてしまいます。 こう考えてたらなかなか眠れなくなって しまう。でもまだまだ夢は続きます。次回 はいよいよ第10です。お相手は栗原け子 でした。ではまたお会いいたしましょう。
2025年5月19日放送
案内人:栗原景子氏(かたりね代表)
朗読者:高橋静江氏・石松一葉氏
毎週月曜日 11:30-11:45
FMちょっくらじお(86.1MHz)にて放送中。
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