米CBSニュースのウェンディ・マクマホン最高経営責任者(CEO)が19日、辞任した。事情に詳しい関係者によると、報道の公正性やニュース部門の不和、業績不振に懸念を示した親会社パラマウント・グローバルから圧力を受けた。
マクマホン氏は辞任の理由として会社との意見不一致を挙げた。パラマウントは現在、数十億ドル規模の合併完了を目指しているが、米規制当局の承認が得られず、トランプ米大統領が起こした訴訟も逆風となっている。匿名で語った関係者によれば、パラマウント取締役会は18日、マクマホン氏の指導体制について協議した。
ローカル局グループも統括していたマクマホン氏の辞任について、CBS関係者はコメントを控えた。同氏のコメントも得られていない。
ウェンディ・マクマホン氏
Photographer: Michele Crowe/CBS/Getty Images
CBSニュースと報道番組「60ミニッツ」は、トランプ氏のニュースでの扱いを巡る混乱の渦中にある。
パラマウントは現在、デービッド・エリソン氏が設立した映画・テレビ企業スカイダンス・メディアとの合併について、米連邦通信委員会(FCC)の承認を求めている。一方、CBSは、昨年放送したハリス副大統領(当時)のインタビュー番組が視聴者や有権者を欺く形で編集されたとしてトランプ氏から提訴され、200億ドル(約2兆9000億円)の損害賠償を求められている。
マクマホン氏はスタッフに宛てた文書で「ここ数カ月は厳しかった」とした上で、「会社と私は今後の方向性についての見解が一致しないことが明らかになった。私にとっては前に進む時であり、この組織も新たなリーダーシップの下で前進する時だ」と指摘した。
今後はCBSニュースのトム・シブロウスキ社長とCBSローカル局グループのジェニファー・ミッチェル社長がパラマウントのジョージ・チークス共同CEOの直属の部下となる。
原題:CBS News Chief McMahon Resigns Under Pressure From Paramount(抜粋)