1980年代後半から90年代前半にかけて日本独自のカルチャーになったAV(アダルト・ビデオ)業界において、カリスマ的な人気を誇った女優の小林ひとみと桜樹ルイが16日から無料配信されているスカパー!の番組収録をこのほど都内で行った。2人はよろず〜ニュースの取材に対し、高齢化社会でのシニア世代の視聴者に向けた思いや近況などを語った。
日本がバブル景気に突入した86年にデビューした小林は87年に英国で敢行された〝ロンドン3部作〟撮影の裏話などを披露。桜樹はグラビアアイドルやテレビドラマ出演などを経て20歳になった89年にAVデビュー。人気が爆発した90年代初めには、近年話題になったネット配信ドラマ「全裸監督」のモデルとなった村西とおる監督と豪州ロケに臨んだ経験なども振り返った。
こうした好景気時のエピソードが披露されていく中、桜樹は「おじいちゃん男優さんが…」と切り出し、「当時は女優が男優さんを指名できたんですが、私は一切しなかった。なぜかというと、同じ人ばかりだと(作品として)面白くないから。それで来られた人が白髪交じりのお爺さん!今思えば、70代くらいかと…」と証言した。
同席したアダルトメディア研究家の安田理央氏は「実は〝お年寄り男優〟は人気なんですよ。90歳の男優さんが出演された作品が2〜3年前に出ていました。見ている人も今、年齢が高くなっているので」と、さらに高齢化が進む現状を解説した。
その流れから、桜樹が「今、女優さんも80歳の方とかいますよね」と指摘すると、安田氏は「90歳もいますよ」と補足。MCのタレント・玉袋筋太郎は「それで言ったら、まだ全然、若いですよ、この2人は」と合いの手を入れ、「で、どうですか?小林さん」とツッコんだ。
意表を突かれた小林は「えっ…いや、初めて知りました」と反応。安田氏は「今、50代の女優さんは普通におられますし、50代でデビューする方も結構います」と付け加えた。〝アラ還〟世代の小林も、50代半ばの桜樹も、現在の業界ではまだ〝適齢期〟ということになる。
そんな2人に対して、報道陣から「もし復帰するとしたら」と質問が飛んだ。桜樹は「仮定の話として、昔のようなストーリー性のある作品がいいかなと思います。小さい頃、スチュワーデス(CA)さんになりたかったので、そういう自分の夢をやりたいです」と返答した。
一方、玉袋から「僕は小林さんのセーラー服が見てみたい」とリクエストされ、当の小林は「この年で…」と照れ笑い。桜樹に「温泉旅館のおかみさんとか似合いそう」とアシストされると、小林は「あー、それ、いいね」と納得の表情で、玉袋は「大おかみと若おかみで」と2人の〝復帰作〟の構想をぶち上げた。
最後に、シニア世代へのメッセージを聞いた。
桜樹は「自分たちの職業って『事件を防ぐために役立った』と結構言われるんですよ。(性犯罪の)抑止力になったと思いますし。男性も女性もいくつになっても遠慮なく見ていただきたいし、恥ずかしくはないです。(加齢で)『もう無理だ』というのは違う…と私は思っていて、いつまでも、いろんなフェロモンが出ることで、お年寄りの方たちも肌つやがよくなると思います」とエール。玉袋も「同年代の人たちの活躍を見れば脳が活性化すると思います。まさに回春ですよ」と後押しした。
小林は現在、東京・銀座の会員制高級クラブでママを務め、桜樹も昨年から同店に勤務。小林は「今も『ファンでした』というお客さんに来ていただいています」と感謝を込め、桜樹は「みなさん言われることは同じ。『お世話になりました!』…です」と屈託のない笑顔を弾かせた。
(デイリースポーツ/よろず〜ニュース・北村 泰介)