和田琢磨,北村優衣出演 『更地』開幕

和田琢磨,北村優衣出演 『更地』開幕

和田琢磨,北村優衣出演 『更地』が吉祥寺シアターで開幕した。
日本を代表する劇作家・演出家の太田省吾の作品、92年初演。それから様々なカンパニーで上演されてきた。
長年住み慣れた家が解体された更地に、ある夜、一組の夫婦がやってくる。
二人はかつてのわが家の跡をたどって、積み木遊びをしながら、記憶をさかのぼっていく。
なにもない地面の上、夜空の下、地球の上・・・。生き物たちの、いくつかの記憶といくつかの希望についての物語。

舞台上には紙でできた白い家が点在、開演前からそこで子供達が遊んでいる。鬼ごっこ、だるまさんが転んだ、縄跳び(ただしエアー)などなどはしゃぐ声が賑やか。それから時間になり、始まる。1組の夫婦、通路から手を繋いで登場、そして舞台に上がる。「ここにリビング」「ここは台所」など、『更地』になったところで語り合う。

古い家を解体して更地にした経験があれば、自分自身の体験と重ねてみることができる。舞台上の家々は並べたり、また”撤去”したりを繰り返す。街は変貌する、よく「19○○年の○○」「2025年現在の○○」という写真の比較を見たことがあるかと思う。かつてそこにあった建物はなくなり、違う建物になっている、つまり、古い建物は取り壊され、そこは一旦、更地になり、それから新しい建物ができる、それを繰り返し、街は新しくなり、発展する。

更地の記憶と未来。だが、悲しい出来事で更地になることもある。戦争、あたり一面、何もなくなった東京の風景写真を見たことがあるかと思うが、そういったことをふと思い出させるような場面もある。更地は繰り返す、壮大な繰り返し、無限ループ。子供達が登場することによって、どこか透明感も感じる。

夫婦役の和田琢磨、北村優衣が軽やかにふんわりとそこに存在する。夫婦の記憶、過去、だが、過去は未来へと連なる。そんなことに思いを馳せられるエンディング、更地は深く、そして潔い。

概要
日程・会場:2025年5月16日(金)〜18日(日)吉祥寺シアター
作:太田省吾
演出:荒井遼
出演:和田琢磨 北村優衣
スタッフ
美術 岩本三玲 / 照明 稲田桂 / 音響 藤田赤目 /
衣裳 藤崎コウイチ / 舞台監督 八木智 / 制作 三村楽 小見山千里 吉越萌子 /
制作協力 MAパブリッシング / 宣伝美術 宇野奈津子 /
主催:一般社団法人幻都

ホームページ https://theatertheater.wixsite.com/sarachi2025
公式X https://twitter.com/GEN_TO_play

撮影:阿部章仁

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