オーディション終了後も続く寺西拓人・原嘉孝の活躍

 オーディション終了直後の活躍には、俳優部から参加となった寺西と原の存在も大きい。特に寺西は、オーディション参加前からすでに俳優として舞台を中心に活動していた。オーディション期間中の今年はじめには、舞台への出演を控えていたこともあり、寺西を取り上げるメディアも多く、結果的にオーディションが一番盛り上がっている時期にメディア露出が増えたのだった。ファン/視聴者の目線では、オーディションとは異なる視点から彼自らの思いや考えに触れることができるため、そこで魅了されたという人も少なくないのではないだろうか。

劇場版『トリリオンゲーム』予告【2月14日公開】

 原もオーディションに参加する前に出演していたドラマ『トリリオンゲーム』(TBS系)の映画版が最終メンバー発表前日に公開されていた。このタイミングでの公開は偶然の結果にすぎないが、オーディションの熱気が冷めやらぬまま、彼の演技の才能を目の当たりにする良い機会になっていたように感じる。原はその後も映画『#真相をお話しします』、ドラマ『イグナイト-法の無法者-』(TBS系)に出演しており、『タイプロ』での姿とはまた違った、俳優としての魅力がさらに知られることになった。

 番組終了後にファンが離れる理由には、ほかにどんな要因が考えられるだろうか。

「オーディション番組は脱落した候補生のその後の動向がファン/視聴者の視点からは不透明であることも多いです。特にJO1やINI、ME:Iらを誕生させた『PRODUCE 101 JAPAN』シリーズは、それまで全く芸能活動をしたことがない候補生も多かったことから、『ここで脱落したら、もう芸能活動をしているところを見られないかも』というような不安をファン/視聴者が抱き、脱落してしまった彼ら、彼女らが次の活動を発表するまで、デビューグループを素直に応援できないという人も多かったように感じます。一方『タイプロ』は、脱落者のなかにはすでに新しい活動を始めている人も多くいます。このように、脱落してしまったメンバーが番組終了後から比較的早い段階で新しい活動を始めることで、違和感なく本命の“推し”メンバーと並行してtimeleszを応援しているという人も多いのかもしれません」(池田氏)

前代未聞のオーディション、timeleszの選択は“正解”になる?

 今後timeleszは、どのようなグループになるのだろうか。池田氏は「さらにいろいろなことができるグループになっていくのだと思います」と、彼らの今後に大きな期待を寄せる。

「新メンバーもバラエティにドラマに舞台とそれぞれの得意なことを活かして、多方面に活躍しています。timeleszはSexy Zone時代からオールラウンダーなグループだったと思いますが、そこに話題性、そして新メンバーも加わって、オリジナルメンバーも含めたグループとしての魅力がさらに発揮されているようにも感じます。8人それぞれが違う場所で活躍し、それをグループに還元するようなチームになっていくことで、さらに多くの人々を巻き込むようなグループになっていくでしょう」

 他のオーディション番組出身グループは、デビュー後はメンバー同士で切磋琢磨してスキルを高め、さらに大きなステージへ向かっている。事務所として前代未聞の方法で新しい形となったtimeleszの選択が“正解”だったのかどうかが分かるのは、もしかするともう少し時間が経ってからになるのかもしれない。日本中の注目を集めたtimeleszが果たしてどのような道をこの先切り開いていくのか。彼らの挑戦は始まったばかりだ。

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