カロリーナ・カスティリオーニが来日
2025年春夏シーズンよりメンズラインを本格始動させた「PLAN C」のクリエイティブディレクター、カロリーナ・カスティリオーニが来日。
インタビューが行われたのは、東京・銀座に2023年にオープンしたフラッグシップストア「PLAN C GINZA SIX」。10年以上にわたりマルニで特別プロジェクトを率いた経験を経て、彼女は今、男性のためのエフォートレスな美学を探求し始めている。
メンズラインを始めたきっかけ
「きっかけは日本だったんです。PLAN Cのレディスアイテムを好んで選んでくれる日本の男性を見て、それならメンズを作ってみようって」
そう語るカロリーナ・カスティリオーニは、男性の自由な着こなしからインスピレーションを得て、ブランド初のメンズラインをスタートさせた。
ピッティ・イマージネ・ウオモ2024で発表された初のメンズコレクションは、アートとモードの狭間で揺らぐ、静かで反逆的なエネルギーを宿している。
2025年春夏のメンズラインには、構築的なテーラリングと、機能素材によるボクシーなワークウェアが共存。フード付きシャツ、ディテールの凝ったコットンニット、セーリングに着想を得たバッグ類──そのどれもがメンズのワークウェアに影響された服という共通項を持っている。
メンズファッションへの愛
「私はメンズファッションが大好きで、ウィメンズを作るときもまずはメンズのワークウェアから見るんです。だから、自然にメンズラインを始める流れになったんですね」
その自然な流れは、ブランドの理念にも繋がっている。PLAN Cは、トレンドに流されず、自分のスタイルを存分に表現できるブランドだ。
2025年秋冬には、都会的なトレンチや流れるようなドレス、取り外し可能なフェザー付きのキルトスカートといったアイテムで、着る人のアイデンティティに語りかけるようなコレクションを展開している。
日本の街角で出合うインスピレーション
インタビューが行われたPLAN CのGINZA SIX店の空間の中で、彼女の視線は訪れたお客さまの姿にも注がれていた。
「日本の人たちのファッションにはミラノにはない自由さがあります。銀座や表参道、下北沢を歩いて、色んな組み合わせを見るのが本当に楽しい」
下北沢ではヴィンテージショップを巡りながら、街の“ミックス感覚”にインスパイアされたというカロリーナ。
「特にどこに行くって決めているわけではなくて、歩いて、偶然出合うものが好きなんです」
そんな偶然の出会いこそが、彼女のクリエイションの源になっているのかもしれない。
PLAN Cの服を、自由に解釈して
「新しいメンズラインも、ルールにとらわれず、自分らしく着こなしてほしい」
そう語る彼女の服作りには、アート作品に対するような距離感と愛情が込められている。PLAN Cの新たな一歩となるメンズラインは、そんな自分らしさを大切にする人々へ向けた、カロリーナからのメッセージである。
PLAN C GINZA SIX店
東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 3F
10:30-20:30
Tel. 03-3289-6767
公式Instagram
公式サイト
PROFILE
カロリーナ・カスティリオーニ
イタリア・ミラノを拠点に活動するファッションデザイナー。MARNI創業者の娘で長年MARNIで特別プロジェクトを手掛け、 その独自のアート感覚とモードへの探求心を武器に、PLAN Cのクリエイティブディレクターとしてブランドの美学を形作っている。